病院で行うわきが治療と市販薬では何が違うの?
病院では手術や医療機器を用いてわきが治療を行います。効果は確実ですがハードルが高いとも言えます。市販薬は安価で種類も多く、誰でも気軽に入手できるのがメリットです。一方、病院でのわきが治療のような継続的な効果はありません。
病院でのわきが治療の効果や、その他の治療法について詳しく解説致します。
病院でのわきが治療について
わきがの臭いは、アポクリン汗腺から分泌される汗や皮脂を皮膚常在菌が分解することで生じます。
従って、病院でのわきが治療は「アポクリン腺の機能を抑える」「アポクリン腺そのものを除去する」ような方法で行われます。
病院で一般的に実施されている主なわきが治療は次の3種類です。
(1)医療機器を用いたもの
マイクロ波や高周波を用いてアポクリン汗腺を焼灼し、わきが症状を改善する医療機器が近年登場しました。発汗量が減少するためわきがの臭いが大幅に改善されます。またエクリン汗腺も焼灼されるため多汗症の改善にも効果的です。自由診療でしか施術は受けられません。金額も比較的高額なのが欠点です。
(2)手術
手術と言っても様々な方法がありますが、もっとも一般的なのが「反転剪除(せんじょ)法」です。皮膚を切開し、皮膚の裏側にある汗腺を手術用のハサミで除去する方法です。
長い歴史があり効果も確実な方法ですが、合併症やリスクも少なくありません。ダウンタイムも長いため日常生活に支障が出てしまいます。
(3)ボツリヌス菌製剤注射
ボツリヌストキシンを皮内注射することでエクリン腺からの発汗を抑える治療法です。短時間で低リスクなのが特徴ですが、効果は6か月間と短いのが欠点です。汗の量は減りますが、わきがに対する効果は限定的です。
病院で処方されるわきが治療薬
前述の3つの治療法の他、外用薬によるわきが治療も比較的簡便な方法として行われています。
一般的に用いられるのは20-30%の塩化アルミニウム溶液です。寝る前に1日1回、脇の下に塗布するだけという手軽さが特徴です。
ただし効果が出るまで2-3週間かかるため、我慢して使い続ける必要があります。使用を中止すると再発すること、肌に合わず皮膚がカサカサと乾燥することがあるなどの欠点もあります。
市販薬について
「病院での治療は敷居が高い」と感じてしまう方にとって、ドラッグストア等で気軽に入手できる市販薬は魅力的です。市販薬には「制汗剤」と「デオドラント剤」があり前者は汗を止める効果、後者は臭いを抑える効果があります。最近はその両方の効果を有する製品もあります。
市販薬は種類が豊富で比較的安価、入手もしやすくリスクや副作用も少ないことがメリットです。
一方で、根本的な臭い改善にはなっておらず、使い続けなければならないというデメリットがあります。「薬用」「医薬部外品」といった表示があるものも同様です。
病院での治療と異なる点を理解した上で、ご自身にあった方法を選択することをお勧めします。
個人的には低リスクで持続的な効果が期待できる、医療機器によるわきが治療が「現状でのベストチョイス」と感じています。
今後も様々な医療機器が登場し、より低リスク低侵襲で確実な効果が得られるようになるのではないか、と思います。