「多汗症」の原因とは
夏場や運動後、ストレスや緊張を感じたとき、辛い物を食べたときやタバコを吸ったときなどは発汗が促されるため多くの汗をかく要因となりますが、「多汗症」は、単なる汗っかきとは異なる疾患(病気)の一種で、その原因によって2つの種類に分けられます。
ひとつは「原発性多汗症」といい、汗を大量にかくという症状は明確なのですが、その原因については、一部に遺伝的な要因が指摘されているものの、医学的にはまだはっきりとした原因解明がされていません。
もうひとつは「続発性多汗症」です。こちらは何らかの病気や薬が原因となっていることが分かっており、そのまま放置しておくと危険に至る場合があるので注意が必要です。
これらの原因は異なりますが、どちらも全身に大量の汗をかくケース(全身性多汗症)と手の平・ワキ・足の裏など体の一部に大量の汗をかくケース(局所多汗症)とがあり、症状においては共通する部分が多いため、自分で見極めることは非常に困難といわれています。
「多汗症」の危険性
同じ大量の汗をかくという症状であっても、特に注意が必要な多汗症があります。それは先にも少し触れた「続発性多汗症」です。夏場や運動後にかく汗などとは違い、他の病気との合併症状として現れていたり、何らかの薬が原因となって発症するなど、その根本となる原因が大きく異なるからです。
続発性多汗症として現れやすい病気の一例を挙げてみましょう。
・内分泌代謝異常
・神経疾患や腫瘍などによる神経障害
・高血圧
・感染症 など
続発性多汗症と分かった場合は、汗に対する治療ではなく、まずは根本の原因となっている病気の治療をすることが最優先となります。逆をいえば、原因となっている病気の治療がうまく進めば、大量の汗をかくという症状についても治まってくるケースが多くみられます。
「たかが、汗だから」と甘く見ることは非常に危険です。汗で気になることがある際には、体からの危険信号のひとつかもしれないと考え、できるだけすみやかに医療機関を受診することが大切です。
日常生活と多汗症の原因
多汗症かな?と思ったら、まずは日常生活のうち、よく汗をかくのはどんな時なのか観察してみましょう。
汗には、運動した時などに体温調整のためにかく「温熱性発汗」、人前に出たときなど緊張やストレスを感じた際に出る「精神性発汗」、辛いものなど味覚の刺激によって反射的に行われる「味覚性発汗」という3つの種類がありますが、人目が気になるほどの汗をかくといった場合には「多汗症」の可能性があります。
自分の汗がどの程度なのかをチェックし、少しでも心当たりがある場合は、ぜひ当院の無料カウンセリングをご利用ください。医師・看護師から適切なアドバイスを受けることができます。
□ 夜寝ている間はそれほどでもないが、日中の両ワキ汗がひどい
□ 全身や顔から汗がしたたる、着替えが必要なほどだ
□ 汗で会話がとぎれたり、人から指摘されることがある
多汗症の場合は、人とのコミュニケーションに支障が出るなど「QOL(生活の質)」の低下が懸念されます。「汗くらいでお医者さんに相談していいの?」など決して思わず、お気軽にご相談ください。