わきがは遺伝しますか?
わきがは遺伝が関与していると言われています。逆に、他人から感染することはあり得ません。
なぜ、わきが体質になるのか? その原因や遺伝する確率について、医学的な観点から詳しく解説していきましょう。
わきがの遺伝について
専門的な話になりますが「16番目の染色体にあるABCC11遺伝子」が、わきがに関わっていることが最近の研究で分かってきました。そして、わきがは顕性遺伝(優性遺伝)すると考えられています。
つまり親がわきがだと子供もわきがである可能性が高いということです。
日本人はわきが率が比較的低い民族ですが、白人や黒人では症状の強弱はあるにせよ、大半がわきがのようです。 日本人は臭いに対して非常にデリケートで、衣服の黄ばみや独特のわきが臭を嫌う傾向にあります。
汗をかくための「汗腺」には2つの種類があります。
1つは皮膚表面のほとんどの場所に存在し、体温調節に必要な汗を作り出す「エクリン腺」、もう1つは脇の下、乳輪、おへそ、外陰部、肛門付近のみに存在する「アポクリン腺」です。
どちらから出る汗も主成分は水分なので、かいたばかりの汗は基本的にほとんど臭いません。アポクリン腺から出る汗に含まれる脂質やタンパク質が、皮膚常在菌に分解されて発する臭い、これがわきが臭の正体です。
アポクリン腺が発達し始めるのは思春期以降で、わきが臭が出始めるのも同時期と言われています。脇毛の量やストレスなど心理的要因もわきが臭の原因とされていますので、社会人になってから突然わきがになったと感じる人も少なくありません。
一方、「わきがが感染する」ということはありません。あくまで俗説で、信憑性は全くありませんのでご安心を。
遺伝の確率について
前述の通りわきがは顕性遺伝(優性遺伝)ですので、両親ともわきがの場合、子供は75%以上の確率でわきがになります。一方で片方の親がわきがの場合、確率は50%以上です。
ご自身がわきがの場合、子供は半分以上の確率でわきがになると考えられます。思春期を迎えたら早めにケアをしてあげましょう。特にわきが臭は自分では気づきにくいもの。
デリケートな問題なので他人は指摘しづらいので、臭いに気づいたらご家族でフォローしてあげるようにしてみては。
遺伝以外の要因とは
わきがは思春期以降に発症すると言われていますが、成人になってから臭いが気になるようになったというご相談を受けることもあります。
こういったケースでは遺伝以外の要素が原因として考えられます。例えば食事です。動物性たんぱくや脂質を多く摂取する方は臭いも強くなると言われています。
植物性たんぱくを摂るようにする、脂質を控え目にする、などと言った食生活の改善によって臭いも減少すると言えます。
脇の下を清潔に保つことも重要です。通勤ラッシュや緊張する会議など、社会人は汗をかく機会が多くあります。汗をかいたらなるべく早く拭くこと、これを徹底するだけでも臭いの軽減につながります。
脇毛が多い方は臭いも強くなりがちです。気になる方は短くカットしたり脱毛を考えてみてもよいでしょう。
生活を見直すことで臭いをある程度減らすことは可能ですが、根本的な解決には至りません。自分はわきがかも、と思ったら医療機関を受診することをおすすめします。
当院では治療前に専門の医師や看護師が無料カウンセリングを行い、患者様のお悩みを詳しく伺います。ご相談だけでも構いません、まずはお気軽にご来院ください。