「体重や体型は平均的なのに、脇腹だけ脂肪が多くて気になる」というお悩みをお持ちの方は多くいらっしゃいます。お腹周りはダイエットをしてもなかなか脂肪が落ちにくい場所です。
この記事では、そんな頑固な脇腹の脂肪を効率よく減らすためにおすすめのダイエット方法を紹介します。賢く脇腹にアプローチしてメリハリのある体型を手に入れましょう。
この記事の監修医師ゴリラクリニック総院長 稲見 文彦
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経歴
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2000年東邦大学医学部卒業
東邦大学形成学科学科学教室入局
2003年大手美容形成外科入職
2008年京都分院長に就任
2015年ゴリラクリニック総院長就任
- 所属学会
- 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
短期間で脇腹ダイエットを成功させるコツ
脇腹を引き締めるためには、脂肪を燃焼させるための有酸素運動と、脇腹にある腹斜筋の筋力トレーニングを行う必要があります。
なるべく短い期間で効果を得たい場合には有酸素運動の比重を重くするのがよいでしょう。
時間をかけてダイエットをする場合には、筋力トレーニングを重点的に行うことで基礎代謝量を上げ、体が消費するエネルギーを増やすことで太りにくく痩せやすい体にしていく方法がありますが、短期間では大幅な筋肉量の増加は見込めません。
したがって、有酸素運動を行うことで積極的に脂肪を減少させ、気になる部分の筋肉に集中してトレーニングを行う方法が、短期間での効果が見込めます。
脇腹ダイエットに最適な有酸素運動3選
脂肪を効率的に燃焼させるためには、息が切れるほどの激しい運動よりも、ちょっと汗ばんだり、会話はできるが少し息が切れるくらいの運動がよいとされています。
また、一日30分以上運動するのがよいと言われていますが、30分の運動を1回でも、10分の運動を3回でも変わりません。
「有酸素運動は20分以上行わないと脂肪が燃えない」という話を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
これは有酸素運動を開始してから約20分後には脂肪燃焼効果が高まるという意味であって、20分までは脂肪がまったく燃焼していないということではありません。
一度に長い時間の運動をすることが難しい方は、短時間の運動を積み重ねてもいいでしょう。「一日合計30分以上」などと目標を決めて、朝と夜に分けて15分ずつ運動するのも1つの手です。
早歩き・階段昇降
運動習慣のない方は、まず日常生活で取り入れることのできる早歩きや階段の上り下りを意識してやってみるのがおすすめです。
毎日の通勤やお買い物でひと駅分余計に歩いてみる、駅の階段を歩いてみる、車での移動が多い方でしたら目的地から少し遠い位置に駐車して歩いてみる、などから始めてみましょう。
水泳(クロール/平泳ぎ)
有酸素運動の中でも消費エネルギーが大きいのが水泳です。
水泳は全身の筋肉を使う運動であることに加えて水中では体温を保持するためにもエネルギーを消費するためで、体重50kgの女性で比較したとき、ウォーキング約40分で消費するエネルギーを水泳では3分で消費できるといわれています。
短期間に脂肪を減らしたい方にはもってこいの運動です。また、水泳は有酸素運動だけでなく、筋力トレーニングも同時にできるのが特徴です。
特に脇腹をターゲットにしたい場合はクロールや平泳ぎなど、上半身をメインとした泳ぎ方にしましょう。
水の浮力により関節への負担が軽減され、過荷重による怪我のリスクを小さくすることができるのも水中運動の魅力です。
年齢や体型、運動習慣の有無に関わらず行うことができる運動ですので、自分のペースに合わせてやってみましょう。
慣れない方は15分を2回、慣れた方なら30分〜60分泳いでみましょう。疲労感を感じるまで追い込むのではなく、ゆったりと継続して泳ぐことが大切です。
ランニング
ランニングは水泳の次にエネルギーの消費量が高いと言われていて、さらに水泳と比べて手軽で、始めやすく継続しやすい有酸素運動です。軽く息が切れる程度に気持ちよく走りましょう。
もしランニングがきつく感じるならウォーキングでもOK。
ウォーキングよりもランニングの方が消費エネルギーが高いので、まったく同じ時間運動するならランニングの方が早く痩せますが、きつくてやめてしまうなら無理せずウォーキングをして少し多めに運動の時間をとりましょう。
消費エネルギーは、1時間のウォーキングと、20〜30分のランニングがほぼ同じです。
どの運動も自分が続けやすい運動の強さやタイミングを見つけてしっかり継続することが効率よく痩せるコツです。
できるだけ間隔をあけずに定期的に続けましょう。いろいろな種類の有酸素運動を組み合わせるのもよいですね。
脇腹を引き締める筋トレ
脇腹を引き締めるために鍛えたいのは、腹部の両脇にある外腹斜筋・内腹斜筋です。どちらも肋骨から骨盤にかけて斜めに走行しています。
しっかり筋肉の収縮を意識しながら丁寧にトレーニングしましょう。
サイドクランチ
・左向けに寝て両膝を軽く曲げ、脚を重ねる。右手は頭に添えて、左手は右の脇腹に置く。
・右の脇腹を縮めるように意識しながら、おへそを覗き込むようにして上半身を持ち上げる。
・限界まで上げたら3秒間停止する。
・ゆっくり元の姿勢に戻る。
・3セット終わったら反対側も同様に行う。
・目安は15回×3セット。
ツイストクランチ
・仰向けに寝て脚を軽く浮かせ、股関節と両膝を90°曲げる。両手は耳の後ろに添える。
・状態を内側に捻りながら起こし、右肘と左膝をくっつける。反動はつけない。
・くっつけたところで2秒間停止する。
・ゆっくり元の姿勢に戻る。
・反対側と交互に行う。
・目安は左右10回ずつ×3セット。
ダンベルサイドベント
・両足を肩幅に開いてまっすぐ立つ。
・ダンベルを右手に持ち、肘はまっすぐ伸ばす。ペットボトルなどでもよい。左手は頭に添える。
・息を吐きながら上体を右に倒す。上体が前に倒れないように意識し、下半身は動かさない。
・限界まで倒したら2秒間停止する。
・ゆっくりと元の姿勢に戻す。
・反対側と交互に行う。
・目安は左右10回ずつ×3セット。自重トレーニングよりも負荷が高いので、セット間に休憩を長めにとりながらやりましょう。
脇腹ダイエットに最適な食事方法
短期間に脂肪を落とす上ではやはり食生活を見直すことも大切です。
過剰なカロリー制限は脂肪だけでなく筋肉が落ちてしまい、かえって太りやすくなりリバウンドの元になるのでよくありませんが、食べるものや食べる方法を見直して賢い食生活を送ることは重要です。
摂取エネルギーを抑えるコツ3選
・よく噛んで食べる
食べ物を摂取すると血液中のブドウ糖量が増加し、血糖値が上昇します。満腹中枢がこれを感知して、「これ以上は食べる必要がない」と体に伝えます。
このことはすでに多くの方がご存知ですね。満腹中枢が血糖値の上昇を感知するまでに約15分かかるとされているので、「満腹」と感じる前に食べすぎないように、よく噛んでゆっくりと食べることが大切です。
よく噛むことで消化酵素である唾液と食物がよく混ざり消化を助けるので、胃腸の負担を軽くすることもできます。
一口の食べ物の量で噛む回数は変わらないと言われていますので、一口を小さめにして、一回の食事を通して噛む回数を増やせるようにしてみましょう。
・水分補給をする
「おなかがすいた」と感じたとき、実は空腹なのではなくて喉が渇いているということがあります。体は一日を通して、皮膚や呼吸を介して常に水分を失っています。
自分で気づかないうちに喉が渇いていることもあります。朝起きたとき、通勤・通学のあと、仕事や家事の合間、スポーツのあと、入浴後、就寝前。
こまめに水分補給をして無駄なつまみ食いを避けましょう。1回に飲む量はコップ1杯(約150〜200ml)がよいとされています。
・タンパク質を摂る
せっかく脇腹の筋トレをしても、筋肉の材料となるタンパク質が不足してはトレーニングの効率が悪くなってしまいます。
また、タンパク質を構成するアミノ酸は食べたものをエネルギーに変える栄養素のひとつで、これが不足するとエネルギー代謝が悪くなってしまいます。
しっかりタンパク質を摂取してエネルギーを消費しやすい体作りをしましょう。
タンパク質を豊富に含む食品としては卵や豆腐、赤身のお肉、お刺身などがあげられます。脂肪を減らす食生活では摂取エネルギーが消費エネルギーよりも少ないことが大前提です。
高タンパク質・高脂質な食品もありますので、食べるものを選ぶときには脂質の量にもしっかり注意をしましょう。
また、最近ではコンビニエンスストアなどで手軽に高タンパク質・低脂質な食品が手に入るようになりました。
サラダチキンやささみソーセージ、プロテインバー、プロテインドリンク、ヨーグルトなど種類も豊富なので、上手に取り入れましょう。
まとめ
本来「部分痩せ」は難しく、冒頭に述べたように中でも脇腹は特に脂肪を落としにくい場所です。また、短期間で無理なダイエットをするとかえって太りやすい身体を作ってしまうリスクもあります。
賢く運動と食事をして、健康に効率よく脇腹を引き締めていきましょう。
この記事の監修医師ゴリラクリニック総院長 稲見 文彦
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経歴
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2000年東邦大学医学部卒業
東邦大学形成学科学科学教室入局
2003年大手美容形成外科入職
2008年京都分院長に就任
2015年ゴリラクリニック総院長就任
- 所属学会
- 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)