【男料理保存版!】神田・東京カオマンガイの門外不出レシピ公開! カオマンガイのプロが語る「究極のカオマンガイ」の作り方 前編

前編

神田にあるカオマンガイ専門店「東京カオマンガイ」の店長スギタです。

皆さんは、本当に旨いカオマンガイを食べて涙したことがありますか? 僕はこれまでに、100食以上の様々なカオマンガイに出会い、多くの感動や衝撃を受けました。それら多数のカオマンガイから得た経験を糧に、「東京カオマンガイ」は多くのお客様にご支持を頂けていると思っております。

オープンから10年目をむかえる今年。今だからこそ語ることのできる、「東京カオマンガイ」の秘密や裏話。そして、家庭でもできるカオマンガイの美味しい作り方。その全てを、余すところなくご紹介いたします。

東京カオマンガイストーリー(タイ修行編) 

カオマンガイとの出会い。

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昔々、あるところにタイ料理が苦手な一人のITエンジニアがいました。彼は腕利きのエンジニア。世界各国を飛び回り会議や学会に参加しています。そんな日々のなかで、ある集まりのためタイを訪れたときの話です。

到着した飛行機の関係で、ホテルに着き荷物をほどき、落ち着いたときには夜もかなり深い時間になっていました。機内食も中途半端な時間だったため、小腹も空いています。ホテルのサービスを利用する気にもなれず、深夜営業のレストランでもないものかと、夜のバンコクに繰り出すことにしました。

気の向くままに歩みを進めていると、何やら目に飛び込んできた気になる屋台。軒先に茹でた丸鶏が吊るしてあり、大きな丸太のまな板と、これまた大きな肉切り包丁を手にした小柄な女性が、「バンッ! バンッ!」と、慣れた手つきで茹でた丸鶏をさばいています。そして、その横では大きな炊飯用の鍋から、香ばしく、なんともお腹の空くいい香りが嗅覚をくすぐってきました。

満席の店内。店というにはあまりにも雑多な椅子とテーブルが並び、マイペースで有名なタイ人達にしては珍しく、ここではみんな忙しそうに働いています。たまたま席が空いた所に滑り込み、店員に何やらタイ語で話し掛けられ、良くわからないながらも指差しで注文をしました。

待つこと2、3分。丸く盛り付けられたご飯の上に、きれいにスライスされた茹で鶏が乗せられ、黒いソースとともに運ばれてきます。横には澄んだチキンスープも……。後ほど知ることとなる、これがカオマンガイとの最初の出会いでした。

 

まわりのテーブルを盗み見し、見よう見まねでスプーンとフォークを使い、一口食べてみると、

「うまいっ!」

そう。タイ料理が苦手な彼は正直、期待なんてしていなかったと思います。しかし、うまいっ。これが嫌いな人間なんて絶対にいない。優しくて地味深くて、そしてクセになるこの味は、万人に受け入れてもらえる、究極のジャンクフードだと確信しました。

「この料理を日本でも食べたい。」「食べられるお店は日本にあるのだろうか? 」「もし可能なら、このカオマンガイのお店を日本でやろう!」と、このような経緯で、日本でのカオマンガイ専門店の開店を決意した彼こそが、後の「東京カオマンガイ」のオーナーとなる人物です。

そして、そのオーナーの誘いを受けカオマンガイの世界にどっぷり浸かることになるのが僕、店長スギタです。

 

60点のカオマンガイ

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2006年、このオーナーに連れられ僕は初めてタイに行きました。人生初の海外で二泊三日の強行スケジュール。目的はただひとつ、「カオマンガイを食べにに行くこと」です。オーナーの計らいで、一度だけフカヒレを食べに行きましたが……。それ以外は、ほとんどカオマンガイだけを食べ続けていたことを覚えています。

当時はタイ料理の知識も今ほどありません。飲食業界での経験もアルバイトだけでした。趣味で自分のために料理をする、食べたい物があれば真似して作ってみる。そんな、料理人と呼ぶにはあまりにも情けない自分でしたが、このカオマンガイツアーをできる限り自分の糧にするために、レシピを学ぶべく精一杯の努力をしました。

そして、この旅で得られた情報は、

・鶏を茹でる。
・茹で汁でご飯を炊く。
・付け合わせのスープも、ご飯を炊くためのスープも、味のベースは塩。
・ニンニクや生姜の香りがする。
・タレはタイの調味料を使い、やや酸味のあるもの。

だいたい、これくらいです。

日本に戻り試作を始めました。材料も作り方もいたってシンプルなはずです。誰にも教わらずに初めて作ったカオマンガイは、100点満点中60点ほどの仕上がりでした。ゼロからの全く初めての試作にしては、それなりの出来だったと思います。この段階で僕は、簡単にできるに違いないと高をくくってしまいました。

しかし、こんなことわざがあります。
”百里を行く者は九十をもって半ばとす”

 

――そう、まさにこれです。この60点カオマンガイがいっこうに100点にならない。

鶏肉の部位を変えてみたり、お米を変えてみたり、挙句の果てには、道具のせいにしてタイから炊飯器を買って使ってみたり……。しかし、それでもダメでした。インターネットの情報をあさり、タイ料理の書籍もたくさん読みました。日本に居てできることは、おそらく全てやったと思います。

他の仕事をしながらとはいえ、約1年間、試作を続けましたが、それでも美味しいカオマンガイは、ついに完成には至らなかったのです。

痺れを切らしたオーナーから、修行のためのタイ行きを打診されたのは、ちょうどこの頃でした。

 

まるでウル○ン滞在記!? カオマンガイ修行inバンコク

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Photo by CAS

人生二回目となる僕の海外体験は、タイ・バンコクでのカオマンガイ修行となりました。

オーナーから渡されたタイ・バンコクへの往復チケット。日程は4週間のフィックスです。途中で帰ることはできません。「住むところは用意しておきます」と、ただそれだけを言い渡され、右も左もわからないままタイでの生活が始まりました。

まずは近所の散策です。食材を購入するスーパーや屋台街、そして小さなカオマンガイ屋を見つけました。最初の1週間は、このカオマンガイ屋に入り浸り、本場のカオマンガイを研究。そして、一日に何度も食べに行き顔を覚えてもらい、カオマンガイの作り方を教えてもらおうという作戦です。しかし、ここで問題になるのが、やはり言葉。タイ語はもちろん、英語も大して話すことができない僕は、結局、指差しで材料や調味料を教えてもらうのが精一杯でした。

さらに、住んでいたエリアがバンコクの中心部からは少し離れていたため、電車が走っていません。そのため、タクシーとバスの乗り方も覚えなくてはなりませんでした。いつもタクシーばかりを使うのは、なんだか贅沢な気もします。しかし、バンコクのバス網は複雑で有名で、海外体験の少ない僕はそれを覚えるだけでも一苦労。空港やお店以外で、初めて話し掛けたタイ人は、バス停に座っていた優しそうなお兄さんでした。行く先を聞くために、つたないタイ語を使った初めての機会だったことを覚えています。

移動に慣れ、行動範囲も広がり、バンコクの様々なところに行くようになると、タイのいたるところにカオマンガイ屋があることを知りました。これはタイ人にとって、いかにカオマンガイが日常食であるかの証明です。日本人の感覚で言うところの、ラーメン屋が近いでしょうか。食べる側にも各々こだわりがあり、お気に入りのカオマンガイ屋があるという話です。

様々なカオマンガイをひたすらに食べ歩くと、味付けやタレなどに各お店の個性があることがわかります。ひと言にカオマンガイ修行といっても、目指すべき味を絞り込むことが難しく、得ることのできる情報の多さにも、自分が少しずつ混乱しはじめていることにも気づきはじめました。

そんなバタバタしているところに、オーナーから「修行先の手配が済みました。今度、そこへ行ってください」と連絡が入ります。いよいよ旅の後半は、実際にカオマンガイ屋で作り方を学ぶことになりました。気持ちを整理し、本格的なカオマンガイ修行のスタートです。

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Photo by CAS

修行先は、バンコクの主要道路であるシーロム通りから近い、ビジネス街の路地にある小さなカオマンガイ食堂でした。そこで僕を迎えてくれたのが、調理を担当する旦那さんのウィッタヤーさんと、調理から接客まで何でもこなす明るい働き者の奥さん、デュワンさん。このカオマンガイ食堂に軒先を貸し、店の奥で雑貨屋を営む老夫婦とその娘さん。そして、仕切り上手な謎の初老の女性。

この女性は、近所の長屋のようなアパートで住人のまとめ役をしている、皆のお母さん的存在でした。カオマンガイ屋のご夫妻も、地方から出て来て、その長屋にお世話になっているそうです。

さらに、ここでは書ききれないくらいの多くのタイ人に囲まれ、修行の日々を過ごしましたが、登場人物が多すぎるので、今回は割愛いたします……。

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Photo by CAS

ここで学んだ一番のことは、丸鶏の調理法でした。ここで教わった茹で方やさばき方は、今でも実際に東京カオマンガイで行っているやり方です。カオマンガイの基本ともいえるのかもしれません。

そして、とにかく全員がいい人でした。何度も、何度も時間をかけて教えてくれます。結局、当初の約束だった日程をはるかに超える多くの時間を、そのお店で過ごすことになりました。さらには、お店を閉めてから食事やカットフルーツをごちそうになり、商売繁盛の神様がいる寺院に連れて行ってもらい、タイ式のお参りまで経験。とにかく今までの人生では経験できなかった、非常に濃い体験だったことを覚えています。もちろん、タレやお米の味付けに使う調味料についても丁寧に教えてもらい、カオマンガイの作り方の免許皆伝です。

皆の笑顔とやさしさに触れた、貴重な修行体験となりました。

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Photo by CAS

そして迎えた帰国前日。例の長屋で送別会を開いてもらいました。
テーブルに乗り切らないくらいの料理。レッドカレー、トムヤムクン、ヤムウンセン、カオパッド、ガイヤーン……。そんな色とりどりのお皿が並び、まじめなタイ人は食事時にお酒を飲むことは少ないのですが、わざわざ僕のためにタイビールと、そしてタイ人の間では特別な時にしか飲まないジョニーウォーカーまでもが用意されていました。

残念ながら、この時点で僕はタイ語をほとんどしゃべれません。でも、ウィッタヤー夫妻をはじめ、お世話になった皆とは、心の通じ合った価値のある時間を過ごせたと思います。美味いものを食べ、酒を飲み、タイのカラオケで盛り上がり、あっという間に時間は過ぎました――。

そして、別れの時……。

固い握手を交わし、話すことのできる数少ないタイ語で「ありがとう」だけを、ただ、ただ繰り返し、別れ際も何度も振り返り、後ろ髪をひかれる思いでその場を離れました。僕が受け取ったものはカオマンガイの作り方だけではない。皆の気持ちも一緒に持ち帰って、最高のカオマンガイ屋をオープンしなければいけない。そう心に誓ったカオマンガイ修行でした。

後編へ続く!

【店舗情報】
「東京カオマンガイ」(GoogleMap)
TEL:03-3255-6055
OPEN:11:00~23:00
ADDRESS:東京都千代田区内神田3-7-8 サトウハウスビル 1F
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ライター :フジタカスギタ

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1980年、栃木県栃木市生まれ。
神田にあるカオマンガイ専門店「東京カオマンガイ」の店長。地方の生産者や飲食仲間を訪ねての出張カオマンガイ屋や、タイへ渡り定期的な情報収集や勉強にも、精力的に取り組む。
二児の父。にわか自転車乗り。元ベース弾き。趣味は酒と料理と音楽と。

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