【3.11から8年】未だ終わらないフクシマの現実~福島県大熊町へ久しぶりに訪れた時の話

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文:星野藍
グラフィック&UIデザイナー、写真家、書道家。福島県福島市出身。従姉の死、軍艦島へ渡った事をきっかけに廃墟を被写体とし撮影を始める。2016年『チェルノブイリ/福島 ~福島出身の廃墟写真家が鎮魂の旅に出た~』(八画文化会館)上梓。

3.11から8年

3月11日。この日が来ると思い出す。

2011年のその日、東日本大震災。日常が、流転した。

私の地元は福島県福島市。津波こそ来なかった。強制的な避難もなかった。インフラも一週間以内に回復した。しかしその一週間で、福島を取り巻く世界は変わった。幾つもの会社が潰れた。自主的に避難しそのまま帰ってこない人もいた。絶望の末自殺する人もいた。報道しない裏側で、様々な人間ドラマが巻き起こっている事は余りに知られていないだろう。

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私は定期的に“フクシマ”の撮影へ赴いている。

2018年10月。この日私は数年ぶりに大熊町へと入域した。友人の一時帰宅に同行させて貰う貴重な機会を頂けたのだ。

重たい場所に向かっている筈なのにメンバーのキャラクターが明るいお陰か終始朗らかな空気の侭だった。

 

久しぶりの大熊町訪問

「なんか、警備員増えましたね」

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数年前よりも警備員そしてゲートの数が随分と増えた。

震災後原発事故により立入禁止になったエリアに不法で立入る探索者は前から存在しているが、当時はまだ“緩やか”だったように感じる。当時はなかった英語の注意書き看板の存在も確認した。それだけ訪れる者が増えたという事だろう。

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「家が……なくなってる」

それだけではない。過去にはあったはずの畑、果汁園などの姿も消え、ガランとした空き地となっているのだ。刻一刻と、被災地は変わっていく。

 

大熊町の友人宅へ

友人の家は、代々続く果樹園を経営していた。福島と言ったら桃が有名だが実は梨、りんご、ぶどう、キウイなど様々な果物に恵まれている。

大熊町は原発のある町だ。事故後友人は避難し、地元を離れた。果樹園の木々は悲しくも伐採され、今ではガランとした空き地になっている。

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空き地の前に設置された害獣駆除用の大きな檻。

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こうした光景はよく見かけられる。

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空間線量は思ったよりも随分低い。

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一時帰宅の多い町ではやはり除染も定期的に行なわれている。

電気は当然ながら通っていない。彼が一時帰宅し電気が必要な際は家にある発電機を使用する。

 

廃墟ばかりの町、でも

近年、廃墟はブームになっているようだ。自分も廃墟マニアなのでその気持ちは分かる。

言わば被災地は、廃墟だらけの町だ。

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しかし何一つ、心躍る感情は抱く事がない。

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そこにあるのは生々しい現実だ。

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ただただに、ただただの哀しい現実。

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それ以上でもそれ以下でもない。

 

大野駅前

嘗て原発の恩恵を受け発展してきた町は、原発により衰滅した。その恩恵の証がこんなところで確認出来るのも、なんともいやはやな話しだ。

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ブックスアトム。

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アトム観光。

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数年ぶりに訪れた大野駅は、見た目はそこまで変わっていなかった。

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しかし線路を挟んだ反対側に行くと工事の様子。

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駅構内、線路にも工事が入っている。常磐線全面開通に向けての工事だ。

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現在福島の富岡駅から浪江駅の約20kmの間では復旧作業中で、全面開通は2020年春頃を予定している。

オリンピックに合わせてか、不自然な復興……もっと他にやるべき事があるのではないだろうか……そう感じてもおかしくない光景がそこには広がっているように見える。

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誰もいない町。誰も戻れない町。同じ日常は決して帰ってこない。

前に進まなくてはならない、前に進むしかない現実だという事も分かる。しかし、その形が余りにも不自然ではないだろうか。

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私の杞憂だろうか。

ライター :星野 藍

星野

グラフィック&UIデザイナー、写真家、書道家。福島県福島市出身。従姉の死、軍艦島へ渡った事をきっかけに廃墟を被写体とし撮影を始める。
2016年『チェルノブイリ/福島 ~福島出身の廃墟写真家が鎮魂の旅に出た~』(八画文化会館)上梓。廃墟の他怪しい場所やスラム街、未承認国家にソビエト連邦など、好奇心の侭に国内外を縦横無尽に徘徊する。

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