【ゴメスの旅ルポ】スペインといえば? 大鍋パエリアでしょ!! でも日本のとは何かが違う……マドリッドの最新食事情[後編]

16人前分の巨大すぎる大鍋パエリア! 

[前回までのあらすじ]

去年の11月末、スペインの首都・マドリッドの商工会議所から招待を受け現地へと出向く、とても美味しい仕事をいただいたワタクシ山田ゴメスは、マドリッドの食の豊かさと日本人好みな味加減にたっぷりと舌鼓を打ちながらも、スペイン人のそのあまりに旺盛すぎる食欲に初日からノックアウトを食らってしまい……?

スペインの郷土料理「コシード」のワイルドさと滋味深い味に感動! 

マドリッド滞在2日目。まだ初日の満腹感を消化できないまま、午前中はプラド美術館でナマのゴヤの黒い絵シリースやベラスケス……ほか、日本ではなかなか観られない名画の数々を、一気にたっぷり堪能させていただいた。とても巨大な美術館なので(※スケジュールの時間内ではすべてを回れなかった)、けっこうな距離を歩き、ようやく腹もこなれてくる。

プラド美術館のゴヤ像前にて

プラド美術館のゴヤ像前にて

スペイン・オーソドックスのランチタイムである14時を少々まわったころ、「そろそろ食事にしましょうか?」と、現地ガイドさんから“いつもの”お誘いの言葉をいただく。

今回、連れられて入ったのは、1890年創業の老舗レストラン『ラ・ボラ(LA BOLA)』昨日行った、気鋭のオーナーシェフによるスペイン料理をアレンジしたフュージョン料理を売りとするフォーマル系レストラン『ビボ・マドリッド(BIBO MADRID)』とは打って変わったカジュアルスタイルの、大衆的かつ気さくな雰囲気で、スペインの郷土料理「コシード(Cocido)」が有名なお店である。

『LA BOLA』外観

『LA BOLA』外観

マドリッドがあるカスティーリャ地方は、力強く素朴な味わいの料理が多く、なかでも『ラ・ボラ』の、骨付きの生ハム・牛肉(赤身)・豚の脂身・鶏肉・チョリソー、ジャガイモやじんじんほかの野菜・ひよこ豆などを壺に入れ、数時間じっくり煮込んだ「スペイン版ポトフ」ともいえる「マドリッド風コシード」は、地元民にも人気が高く、とくに寒い冬は予約もなかなか取れないという(多いときは一日230〜240食の売り上げがあるんだとか)。いかにもソソるメニューではないか……私は昨日の“失態”ですでに学習している。そう! 料理が出てくる前からパンを卑しく食べ過ぎなければいいだけなのだ。

厨房にズラッと並ぶ「コシード」を煮込んだ壺

厨房にズラッと並ぶ「コシード」を煮込んだ壺

例によって、ワインはボトルで注文。まず最初は「フィデオス」という、にゅうめんのようなショートパスタの皿がテーブルに。それにウェイターさんが熱々の壺からスープを注いでくれる。トマトの酸味がさり気なく効いた滋味深くもあっさりとした味わいで、胃にもやさしい。パンにひたしても◎。ヤバイ! うっかりパン食っちゃってるし……。

例によってのボトルワイン

例によってのボトルワイン

にゅうめんのようなショートパスタ「フィデオス」

にゅうめんのようなショートパスタ「フィデオス」

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ウェイターさんが壺から皿に熱々のスープを注いでくれる。

ウェイターさんが壺から皿に熱々のスープを注いでくれる。

とてもフレンドリーなウェイターさん

とてもフレンドリーなウェイターさん

ショートパスタ入りスープを食べ終えると、空になった皿に中身を入れてくれる。ゴロゴロと出てくる肉の塊に、大量のひよこ豆がドカドカと! パンをセーブしたのは正解だった……が、豚の脂身をパンに塗って食べたら、またコイツがオツなんである。

いよいよ“主役”登場。あらゆる肉の塊がゴロゴロ&大量のひよこ豆。写真右下にある半透明の豚肉の脂身をパンに塗って食べるのがオススメ!

いよいよ“主役”登場。あらゆる肉の塊がゴロゴロ&大量のひよこ豆。写真右下にある半透明の豚肉の脂身をパンに塗って食べるのがオススメ!

う〜ん、満足&満腹。すみません……ひよこ豆だけ、ちょっぴり残してしまいましたm(_ _)mむっちゃ美味しかったんですけどね……やっぱ量がハンパないんですわ。

 

スペインといえば、やっぱパエリア! でも日本のパエリアとは○○が違う?

最後の昼の会食で、本場の「パエリア」をご馳走に。マドリッドでも有数のパエリア専門店『アルブフェラ(L’ALBUFERA)』は、国際会議にもよく使われるホテル『メリア・カスティージャ』の1階にエントランスがある、ゆったりしたスペースのレストラン。

『L’ALBUFERA』外観

『L’ALBUFERA』外観

フロアと厨房の間にあるカウンターには、なんと16人前分のパエリアが入った大鍋がドカン! なんとも圧巻で、そのビジュアルと香りにおのずと食欲をそそられる。

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16人前分の巨大すぎる大鍋パエリア! 

16人前分の巨大すぎる大鍋パエリア!

このころになったら、もう胃袋がスペイン仕様となりでっかくなったのか、出てくる食事はすべて完食できるようになっていた。どんだけの量が来たって仰天することもない。顔とボディのシルエットは、ここ数日で明らかに丸みを帯びてきている。

もはや、私の脳内でも常態となりつつある、“例によって”のフルボトルワイン&フルコースで、ランチタイムがスタート。前菜には、どんぐりの実を食べて育てたイベリコ豚の生ハムのなかでも最高級品とされる「ハモン・イベリコ・ペジョン」(※地元の人たちのたいがいは何段階もある生ハムの等級を普通に熟知しているという。それくらい生ハムはスペイン人によっての欠かせない食材なのだ)とタラのカルパッチョ。しょっぱなからまさにヨダレモノの絶品揃いだが、席に着いた時点でド迫力の大鍋パエリアを前チェックしているため、食べる量とワインのペースを冷静に計算する。

タラのカルパッチョ

タラのカルパッチョ

生ハム界の大坂なおみ(?)「イベリコペジョン」

生ハム界の大坂なおみ(?)「イベリコペジョン」

冷静に計算され尽くして注がれた白ワイン

冷静に計算され尽くして注がれた白ワイン

“メインディッシュ”のパエリアは、今回2種類を皿に取り分けてくださった。左側の赤みが強いほうは「アロス・アバンダ」と呼ばれるシーフードのパエリア。魚介のスープで炊きあげ、サフランライスに旨味がたっぷりと染みこんでいる。右側の黄色っぽいほうは「バレンシーナ」と呼ばれるバレンシア地方のパエリア。野菜・インゲン豆・肉(兎肉か鶏肉)……と、山の幸系の具材をメインとする。

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ウェイターさんとウェイトレスさんが皿に取り分けてくれた2種類のパエリア。 

ウェイターさんとウェイトレスさんが皿に取り分けてくれた2種類のパエリア

ちなみに、スペイン人は日本のバルあたりでよく見かける、海老やムール貝がドカッと“そのまま”乗っかっているパエリアを好まない傾向があるらしい。理由はシンプルで「皮を剥いたり貝殻と実を分けるのが面倒臭い」から(※あらかじめ、それらの具材がキチンと切り刻まれているパエリアはマドリッドだと「セニョリート(子ども用)」と通称されている)。スペイン人にとって、やはりパエリアは日本人の何倍も「頻繁に食べる馴染み深い料理」ってことなんだろう。けっこうなボリュームを盛られたけれど、見た目よりあっさりしていて、箸(フォーク)が止まらない。一粒残らずたいらげてしまいました。おかわり、ダメですか?

 

最後の夜はサン・ミゲル市場で生牡蠣とロゼスパークリングを立食で……

自由時間を利用して、初日に行ったデパート『エル・コルテ・イングレス』の食料品売り場や、元々は青物市場だった建物を観光用に改築したグルメスポット『サン・ミゲル市場(Mercado de San Miguel)』(※朝10時〜深夜まで営業)に立ち寄ってみた。

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『El Corte Ingles』の食料品売り場。生ハムからフルーツ・オリーブ・チーズ…ほか、すべてが山盛り! 生ハムは塊ごと大きなカートに積まれて売られている。あと、マドリッドでは近年、日清のカップ焼きそばが大人気なんだとか……?

『El Corte Ingles』の食料品売り場。生ハムからフルーツ・オリーブ・チーズ…ほか、すべてが山盛り! 生ハムは塊ごと大きなカートに積まれて売られている。あと、マドリッドでは近年、日清のカップ焼きそばが大人気なんだとか……?

サン・ミゲル市場は、スペインが誇る新鮮な野菜と果物に、シーフード(※マドリッドはイベリア半島のほぼ中央に位置するが、昨今は流通が発達し、新鮮な海の幸も楽しめる)・タパス・チーズ・スイーツ……ほかが、豪快かつカラフルに店頭を飾り、持ち帰ることも、その場で食べることもできる。

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サン・ミゲル市場。立ち食いもフードコートテーブルの利用もOK!

サン・ミゲル市場。立ち食いもフードコートテーブルの利用もOK!

スペイン最後の夜は、ここで生牡蠣&ロゼスパークリング。そして、近くにあったバルにフラッと入り、赤ワインをワングラスで〆。ああ、楽しかった! でも、明日はもう飛行機の中なのね……とチョッピリ……いや、たんまりと名残惜しさが心によぎるゴメスであった。

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〆の生牡蠣&ロゼワインと、近くにあった名もないバル。夜、ここら周辺を散策してみるのも楽しい

〆の生牡蠣&ロゼワインと、近くにあった名もないバル。夜、ここら周辺を散策してみるのも楽しい

〆の生牡蠣&ロゼワインと、近くにあった名もないバル。夜、ここら周辺を散策してみるのも楽しい

さて。最後に、気になる「物価」と「言葉」について軽く触れておこう。物価は(あくまで個人的な印象ではあるけれど)、全体的に日本より1〜2割ほど安いんじゃないか? フランスやニューヨークや香港なんかよりは、確実に安い! 

なんと、1ユーロのボトルワインも!!

なんと、1ユーロのボトルワインも!!

言葉は「こんにちは=オーラ」「ありがとう=グラシアス」「さようなら=アディオス」「YES・NO=シ・ノ」……くらい覚えておけば、片言の英語とウインクだけで、たぶん乗り越えることができる(ただし、流しのタクシーの運転手さんは英語ができない人も多かった)。治安もそこまで悪くないので(※一番気をつけるべきなのはスリとのこと)、親愛なるゴリクリ読者の皆さまもゼヒ一度、食事の量だけには十分注意し、彼女連れで足を運んでみてほしい。

あと、マドリッドのホテルの朝食ビュッフェには、サラダが置いてません。

サラダがないホテルの朝食ビュッフェ。フルーツの品揃えは豊富!

サラダがないホテルの朝食ビュッフェ。フルーツの品揃えは豊富!

スペイン人って、朝にサラダを食べる習慣がないんですって。まあ、あんだけ食ってりゃ、いちいちサラダで栄養を摂取することもないでしょうし……(笑)。

■ 協力:マドリード7つ星の地~世界最高のショップ~

ライター : 山田 ゴメス

1962年大阪生まれ B型 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、偏った幅広さを持ち味としながら、阪神タイガースと草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター&イラストレーター。『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』ほか、著書は覆面のものを含めると30冊を越える。

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