【ボランティア=無償?】山口県で2歳男児が救出された件 ——“今”だからこそ問い直したい「ボランティアの真の在り方」

shutterstock_440881492

今年の7月初旬、朝日新聞に掲載された、とある記事に 

……なる文章を添えたツイートが話題になった。とりあえず、その「とある記事」の大筋を以下に紹介しておくと、

ボランティアは「タダ働き」だと考えていないだろうか? そもそもボランティアは「自主的な」という意味で、「無償」の意味ではない。でも、日本では「ボランティア=無償=尊い」という意味が強く、残念だ。

(中略)確かに、行政にとってボランティアは人件費を節約できて便利な側面はあるだろう。でも、世界では有償ボランティアが一般的で、青年海外協力隊も有償だ。

(中略)東京五輪・パラリンピックでは多数のボランティアが必要になる。有償で募ってもいいのではないかと思う。お金がほしいからではない。ボランティアする側も、お金を受け取る代わりに高い目標と責任感を持ってやってほしいからだ。

高齢化社会を迎え、ますます優良なボランティアが求められる。今のうちに世界に通用する人材を育てようではないか。 

……といった内容になるのだが、これには私もまったくもって同感である。「まったくもって同感である」からして、正直このネタは最初の予定だと、すみやかにスルーするつもりであった。称賛しておしまい……だと、文字数がちっとも稼げないからだ。

しかし、つい先日。“あのニュース”が日本国中に知れ渡り、あれよあれよとちょっとしたフィーバー状態となっている。そんな“今”だからこそ、あえて「ボランティア」について、じっくりと考えてみたい。

尾畠春夫さんの生き様は「我々の老後」の大きな指針ともなりうる?

出典:shutterstock

出典:shutterstock

“とあるニュース”とは、もう皆さんおわかりだろう。山口県周防大島町家房で約3日間も行方不明になっていた2歳の男児を、ボランティアで捜索にあたっていた大分県在住の尾畠春夫さん(78)が発見したというニュースのことである。

以降、尾畠さんは各マスコミからひっぱりだこで、ネット上でも一切の誹謗中傷を受けることなく(これはかなりレアなケースだと言えよう!)、「尾畠さんに国民栄誉賞を」なんて声までがあがるほどの“時代の寵児(寵爺?)”として、スポットライトを浴びている。

たしかに、この世知辛いご時世で久々に心が洗われる素晴らしい美談であることに間違いはない。メディア露出のごとに生まれ出る

「世の中には重たいものはいっぱいあると思いますけど、人の命より重いものはこの地球にはないと思ってるんです」 
「学歴も何もない自分がここまでやってこられた。社会に(その)恩返しがしたい」
「かけた情けは水に流せ、受けた恩は石に刻め」
「(行方不明の子どもを見つけたら、必ず抱きしめて直に渡すと約束したから)たとえ罰を受けても家族に直に渡したかった。なんぼ警察だろうが、大臣が来ようが関係ない」
「お金は余分にいらない。いるだけ(=最低必要限だけ)あったらいいです」
「ボランティアの心構えは、現地のお世話になってはいけない、自己完結、自己責任。人を頼ったり物をもらったりしちゃいけない」
「何も求めないのが、私は真のボランティアだと思うんですよ」

……ほか諸々の“名言”も、じつにキャッチーで、わかりやすく我々の胸を打つ。定年を迎えたりリタイアを宣言した熟年層に向けた「第二の人生のモデルケース」として、尾畠さんが実践する「ボランティアに生き甲斐を見いだす日々」は、一つの大きな指針、ヒントとなるはず……とすら、私は真剣に考えている。

が、いっぽうで、尾畠さんによる一連の発言が、なんの疑いもなく鵜呑みにされ、そのまま安易に格言化されつつあるのは、いささか危険な兆候なのでは……とも私は一抹の不安をも覚えていたりする。

 

尾畠さんには出演料をガッツリ取って、キッチリ溜め込んでほしい?

shutterstock_402609415

出典:shutterstock

「何も求めないのが、私は真のボランティア」──とくに、この言葉が危ない。なぜなら、冒頭でも記したように、「そもそもボランティアは『自主的な』という意味で、『無償』の意味ではない」わけで、せっかく日本でも根付き始めてきた「ボランティアの正しい翻訳」が、一気に“逆戻り”してしまう可能性もあるからだ。

そりゃあ、天災ほかで深刻なダメージを受けた土地などでのボランティア活動だったら、この「何も求めない精神」は、むしろ大切であろう。しかし、東京五輪やパラリンピックとかでのボランティア活動は、綺麗事だけじゃあ、冒頭の新聞記事にもあったとおり、優秀な人材もそう簡単には集まらないのではないか? 

もちろん、私が問題視しているのは「尾畠さんの発言」自体では決してなく、「尾畠さんの発言を視聴率や売り上げ目当てでおもしろおかしく連日垂れ流しているマスコミの節操なき姿勢」であり、だったら、いっそのこと尾畠さんには、そんなマスコミからガッツリと出演料を搾り取り、今後のボランティア活動の運用資金に回してもらいたいと提言したいのだが……ダメですか?

ライター : 山田 ゴメス

1962年大阪生まれ B型 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、偏った幅広さを持ち味としながら、阪神タイガースと草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター&イラストレーター。『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』ほか、著書は覆面のものを含めると30冊を越える。

ゴリラクリニック対談 堀江貴文×柴田英嗣(アンタッチャブル)篇
【女性にモテない?】胸毛や背毛の悩みは脱毛で解決できます

bnr_skin_thin

男性美容外科ゴリラクリニックTOPへ行くモテ男記事ゴリクリハックのトップへ行く

この記事が気に入ったら いいね!しよう

ゴリラクリニックdigの最新記事をお届けします

注目記事

新着記事

ゴリゴリ日記 ライターさん募集中!!

週間アクセスランキングTOP10

【閲覧注意】富士の樹海は想像以上に美しく、発見した死体は想像以上に……。GPS持参で青木ヶ原樹海を探索した話

【刺青夫婦】タトゥーのデメリット・後悔は結婚してから痛感する3つの理由

【裾折りデニム問題】メンズに流行するデニムのロールアップはダサいのか? お洒落なのか? 折り方はあるのか?

【激レア】マニアック過ぎィ!!日本屈指の非売品ゲームソフトコレクター「じろのすけ」氏が厳選する非売品ソフトベスト3とは

【最新カプセルホテル】近未来的モダン空間! カッコ良すぎる竹橋のナインアワーズホテルに行ってみた!

【旨すぎ注意】牛骨の旨味がほとばしるゥ! イスラム教徒も安心の蘭州拉麺の聖地「ザムザムの泉(西川口)」に行ってみた

【IKEAあるある35選】これはあるね!www つい余計なものまで…から始まる、毎度ありがちな「イケアあるある」まとめ

【原価率】回転寿司スシローのネタ原価率を某寿司職人から”外部”リーク! 一部上場記念「スシローうまさ上々祭」のコスパに迫る

【男料理保存版!】神田・東京カオマンガイの門外不出レシピ公開! カオマンガイのプロが語る「究極のカオマンガイ」の作り方 前編

【1話無料】漫画『やれたかも委員会』作者の吉田貴司さんに聞く、やれた「かも」に潜む男たちのリアルな願い(前編)