【夏のオカルト】写真家「星野藍」が振り返る、日常の中にあったちょっと怖い話

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文:星野藍
グラフィック&UIデザイナー、写真家、書道家。福島県福島市出身。従姉の死、軍艦島へ渡った事をきっかけに廃墟を被写体とし撮影を始める。2016年『チェルノブイリ/福島 ~福島出身の廃墟写真家が鎮魂の旅に出た~』(八画文化会館)上梓。

真夜中の訪問者

出典:shutterstock

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高校時代。私は不真面目な学生だった。真夜中2時過ぎにも関わらず、その時私は部屋で漫画を描いていた。週末のオタクイベントに向けて、コピー本は一冊作りたいと考え学校の事をそっちのけで描き殴っていたのだが……。

ドンドンドンドンドンドンドンドン!!!!!

突然、窓ガラスが割れんばかりの勢いで、拳でガンガン叩くような激しい音がした。この部屋は2階だ。人が叩ける筈がない。

「え、な、なに!?」

余りのショックで肩を震わせ、窓の方を見たまま動けなくなってしまった。

「……………………………」

程なくして聞こえてくる、重低音。低い低い男のような声で、お経がブツブツと聴こえてくる。

………。

その後は覚えていない。気がついたら私は床の上に突っ伏し、気を失っていた。朝になり、いつものように朝食を済ませ学校に行き、普段通りの日常を過ごした。あの時聴こえたものの正体は未だに分からない。

 

「お前のせいだ!」

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私は学生時代、歌舞伎町のスナックでバイトをしていた経験がある。就職も決まり卒業制作も終えた落ち着いた段階で友人Aに誘われて、卒業までの期間やる事になったのだ。店内は壁の一面が鏡張りになっており、自分たちの姿が見えるようになっているのだが。そこに、彼らはいた。

無数に浮かぶ真っ白な顔。首から上の、髷を結った髪型をした男性だった。

10人から20人はいただろう。どれも何故か白黒で、一切色が付いていない。「古い霊は色が抜けて白くなっていくんだよ」なんて前に父が言っていた事を思い出した。

彼らは出勤する度、必ず姿を見せた。私は彼らが見えていたが、これと言って気にする事なくバイトを続けた。

ある日、友人Aが凄まじい剣幕で怒鳴ってきた。

「お前が喜ぶからあたしが辛いんだよ!!!」

あまりにも突然で意味が分からなかった。

「え、何言ってるの」

「お前見えてんだろ、あいつらが喜んでんだよ! でもお前に行かないであたしのところに来るんだよ!!!!」

どうやら彼女は私より遥かに強烈な霊媒体質だったらしい。私が彼らの姿を見た事で、彼らは「あいつ俺たちの事が見える! やったー!!」と喜んでいるそうなのだ。

しかし彼らは私に干渉出来ない。仕方がないので、霊媒体質の友人Aに取り憑いて……大変な事になっていたらしい。

「お前のせいだ! どうしてくれるんだ!」
「ごめん、でも私どうすればいいの……?」

……程なくして、彼女はスナックから姿を消した。

 

生きている人間が一番怖い

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私の一族は、何故かいわゆる霊感が強い人間が多い。詳しい事は載せられないが、出家している人間も何人かいる。故に世に言う「見える人」とやらが多い。私も見えたり感じたり、ほんのりとそんな感性を持っている。

近年個人的に感じるのが、人の念を感じ取る能力が異様に上がったという事だ。口にしなくても、顔が見えなくても、どんなに遠くにいても、その人が私に対し何らかの強い感情を抱くとそれを察知し伝わるという、正直あってもめんどくさいだけの能力だ。

人は、鈍感な方がはるかに生きやすい。

感性はあえて殺して生きる事が「見える人」の鉄則だ。その術を知るか知らないかでは随分違う。無知である事は愚かであるかもしれない、しかしそれは、見方を変えればとても幸せな事だ。

ある時家で風呂上がりにドライヤーをかけていたら、右側にぞわりとした気味の悪い気配を感じた。そこにいたのは黒い鉄で出来たような棒人間だった。棒人間は突然私の目の前に現れたかと思ったら、すぐ消えてしまった。でもこの気配、前にも感じた事がある。たぶんあの人だ。

私は所謂サイキッカーと呼ばれる存在の某氏にこの事を話した。彼は楽しそうに笑う。

「何それ面白いんだけど。ちょっと今からダイブしてみるよ」

彼は対象の意識の中に入り込み、様々なものやことを見る事が出来る不思議な能力を持っている。世界は広い。探せばきっと空を飛べる人間だってこっそり存在するかもしれない。

「ガチな生き霊にはなれない、潜在意識の中途半端な状態のものっぽいねー」

彼は言う。

「君の足を死に際の人間みたいに這いつくばって引っ張ってて、左手に包丁を持ってるのが見える。殺したいまではいかないけど『お願いです』『消えてください』とか敬語使ってる自己顕示欲が強い人みたいだね。棒人間として見えたのは、その人が考える恐ろしいと感じるものがそうして現れたんだと思う」

「え、なにそれ凄い」

「30代以降の女性で、とにかく自分と他人をいつも比較して常にネガティブな状態だけど逆にそのネガティブさが落ち着いている人だね」

「逆に落ち着いているって面白い!」

「実際会った事ないでしょ?」

「ないよ。私が何をしているとかも実際は分からないと思う、情報外に出してないし。又聞きのよくわかんない話しかネタないからそれに固執してるって感じなんじゃないかなぁ」

「あー、仕事も私生活も微妙だねこの人。ネットだと華やか風に見えるだろうけど」

「あらら」

「まぁただの嫉妬と私怨だねー。雑魚だから気にしなくていいよ。そいつをぶん殴るイメージの念を送れば精神状態崩れるくらいの雑魚」

「面白いねーほんと細やかに見えるんだね」

幽霊とやらよりも、自分は生きている人間の方が怖いと思う。奴らは物理的な攻撃と危害を加える事が出来る。

生き霊は生きている間はずっと飛ばす可能性があるという。除霊が出来ない。もちろん、対処法とやらはあるのだろうがそれも効かなかったらどうなるのだろう……?

生き霊とは呪いのようなものなのかもしれない。呪いとは、心の力、念の力を手段とした精神的又は霊的攻撃行為である。

呪いと言えばそう言えば私自身も様々な呪術にハマり倒していた時期があったな……。ふふふ、実にロクでもない。その話しについては、また別の機会にでも。

ライター :星野 藍

星野

グラフィック&UIデザイナー、写真家、書道家。福島県福島市出身。従姉の死、軍艦島へ渡った事をきっかけに廃墟を被写体とし撮影を始める。
2016年『チェルノブイリ/福島 ~福島出身の廃墟写真家が鎮魂の旅に出た~』(八画文化会館)上梓。廃墟の他怪しい場所やスラム街、未承認国家にソビエト連邦など、好奇心の侭に国内外を縦横無尽に徘徊する。

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