【山田ゴメス連載】第10回 「若者のビール離れ」のリアルな声の核心は……3つの「○○い」というシンプルな理由だった?

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「若者のビール離れ」が叫ばれて久しい。少々古いデータではあるが、2016年の7月に発信しれた『DIAMOND online』によると、2005年のビール類(ビール・発泡酒・新ジャンルの合計)の消費量の合計が634万キロリットルだったのに対し、10年後の2014年は540万キロリットルと、約15%の減少。その右肩下がりな売り上げの落ち込みは現在もなお、歯止めがかからないのだという。

理由として“もっとも大きい”とされているのは「アルコール摂取を対象とする交通違反規制の厳罰化」が挙げられるが(昔はぶっちゃけた話、「ビール一杯くらいならクルマを運転しても平気」という暗黙の了承があった)、一方で「若者がビールを飲まなくなっている」という説も根強い……と同記事は分析している。

言われてみれば、私のまわりにいる若人らのあいだでも、「最初はとりあえずビールで」みたいな一種の“お約束”は希薄となりつつある印象で、皆が皆ハイボールだとか、ほにゃららサワーだとか、ウーロン茶だとか……と、自由気ままに好きなお酒(あるいは、飲めるドリンク)オーダーしている。なにかにつけて「〜ハラスメント」扱いされがちな近年、“上司からの押しつけ”ってヤツは、もはや“前近代的な蛮行”として、本気で糾弾されてしまうのだろう。

それは、決して悪くない風潮である。が、だったら、最近の若者たちはなぜ、(本人の意志で)せめて「最初はとりあえず」だけでもビールを選ばなくなったのか? ビールがあまり好きじゃなくなったのか? 突き詰めて彼ら彼女らに問いただしてみると……じつにシンプルな理由が、そこにはあった!?

若者たちは生理的な感覚からビールを嫌う?

出典:shutterstock

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とりあえず、「ビールは苦手」と公言する、私のまわりにいる若人らから、その理由を聞いてみた。

「ビールや日本酒は太るというイメージがある」(24歳:接客業/女性)
「ちゃんとした居酒屋だとビールはハイボールやチューハイより値段が高いので…」(29歳:営業/男性)
「コンビニに行けば缶モノでもいろんなお酒が選べるので、あえて全然甘くないビールを飲みたいとは感じない」(22歳:大学生/男性)

価格・チョイスの幅……と、じつにわかりやすい「ビール離れ」の理由であるが、なかでもイマドキの若者たちにとって深刻なのは「太る」ことに対する恐怖心なのではなかろうか?

実際的には「ビールもハイボールもカロリーを比較してみれば大差はなく、単にビールに合うおつまみが高カロリーなだけ」らしいのだけれど、「ビール腹」なんて言葉が、昔からスタンダードに浸透しきっている実状を考えれば、「ビール=太る」といった“幻想”を完全に払拭するのは困難かと思われる。

ただし、こういったある意味“二次的な理由”より、彼ら彼女らはもっと生理的な部分でビールを受け付けなくなっている……ような気がしなくもない。

 

ビールだって氷を入れて飲めばいい!?

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「苦い。ほかのお酒も苦みはありますが、ビールは単に苦いだけ!」(23歳:メーカー/男性) 
「あのビールの匂いがどうしてもダメなんです。『芋焼酎やワインより匂いとかしないじゃん?』とはよく言われるけど…」(25歳:美容師/女性) 
「ビールって濃くないですか? すぐ酔っちゃうし…。ビールばっか飲んでいるヒトってマジでお酒が強いヒトだと感心する」(26歳:商社/男性)

そう!「苦い」「臭い」「濃い」なる五感を直接刺激するシンプルな3要素こそが、若者をビールから遠ざけている潜在的な理由なのである。

たしかに、冷えたビールをイッキにグビッと飲むのは最高だ。しかし、ある程度の時間が経過してぬるくなってしまったビールを“処理”するのは、相当なビール好きですらなかなかの苦行だったりする。つまり「ビールはいったんグラスやジョッキに注いでしまったら長持ちしない」。苦さと臭さと濃さ(アルコール度数自体は大したことないのだが…)だけが際立ち、ただでさえマイペースでお酒を楽しむ傾向が強い若者たちからすれば、ビールは“厄介なアルコール飲料”でしかないのかもしれない。

そんな視点から結論づければ、私は“ビールの最大の弱点”とは、「氷を入れて飲むことができない」ことだと考える。

ハイボールやサワーや焼酎だと、ある程度の長時間置いていても、氷のおかげで“冷たいまま”のソレを味わうことができる。氷が溶けて味が薄まりこそするが、その薄さが“さしてお酒が好きじゃない人たち”にとっては、かえってありがたい。

しょうがねえなぁ……じゃあ、結局ビールはこのまま若者文化から消えていくのか? いやいや! 私は、まだまだビールには巻き返しのチャンスが残っていると断言したい。簡単な話、ビールにも氷を入れちゃえばいいのだ。

大量の酒量を強要されるホストの世界では、酔い防止のために「フィリピンスタイル」と呼ばれる“氷入りのビール”を飲むケースが多いと言われている。お相撲さんだって、タライにビールと氷をブチ込み、水代わりにビールを飲む……と聞いたこともある。

案外美味しいんですよ、氷入りのビールって。年のせいか、2〜3年ほど前から“最初の一杯”にビールを飲むのがキツくなってきた私としても、「フィリピンスタイル」はゼヒ居酒屋メニューの定番の一つにしていただきたい!

山田ゴメス連載:若者の「〇〇離れ」に物申す!
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ライター : 山田 ゴメス

1962年大阪生まれ B型 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、偏った幅広さを持ち味としながら、阪神タイガースと草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター&イラストレーター。『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』ほか、著書は覆面のものを含めると30冊を越える。

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