【樹海都市伝説】 樹海歴15年「樹海マニアK氏」に聞く! コンパスや謎の集落や死体など樹海の話、そして樹海の今昔について

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文:星野藍
グラフィック&UIデザイナー、写真家、書道家。福島県福島市出身。従姉の死、軍艦島へ渡った事をきっかけに廃墟を被写体とし撮影を始める。2016年『チェルノブイリ/福島 ~福島出身の廃墟写真家が鎮魂の旅に出た~』(八画文化会館)上梓。

一昨年初めて、私は「樹海」というものに足を踏み入れる機会を得る事が出来た。その時の話は記事にまとめてあるので是非読んで欲しい。

思い返せば、そこはおどろおどろしいイメージとは裏腹に、限りなく美しい緑の森だった。今回はそのとき案内してくれた樹海マニア・K氏に、改めて樹海について色々と話を聞く機会を得たので紹介したい。

K氏が樹海マニアなのか死体マニアなのかは怪しいところだが、普段の彼は水族館とインドカレーのお店が好きだという至って普通の一面もある……。いい機会なので今回は昔からの疑問や噂など、様々な事を聞いてみる事にしよう。

【樹海マニアに聞く】樹海歴はどのくらいですか?

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「15年くらいかな。樹海にハマったキッカケは、初樹海での2ちゃんねるオフでデロデロ死体(通称いかめしクン)を見つけたからかしら。」

い、いかめしクン……。なにがどう“いかめし”なのかは、皆さんの想像にお任せする事にしよう。それにしても15年も樹海趣味をやっているとは驚きだ。

 

【樹海マニアに聞く】よく樹海の中に入るとコンパスが狂って迷うと言いますが、それは本当ですか?

「普通に使ってたら全然狂わないけど、磁力を帯びた溶岩に近づけるとほんのちょっとだけ動くよ。」

普通に探索するぶんには何ら問題ないとの事だ。ただし、樹海の奥深くへ行くのなら、GPSは必須です……。

 

【樹海マニアに聞く】55m中に入ると2度と出られないというのは本当?

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「以外と縦横に遊歩道があったりするから泣きながら1日中歩けばたぶん出られる。転んで足を折ったりしたら別だけど。」

泣きながら、と付け加えるのがK氏のおミソだ……。

そういえばK氏は以前、トレッキングシューズもしっかりと履いた明らかなガチ探索者の死体を発見したという話をしていた。恐らく樹海の岩と岩の間に足を落としそのまま折れて動けなくなったのだろう、と。

樹海の地形は特殊だ。成り立ちも含め解説しよう。
実は樹海こと青木ヶ原樹海とは正式名称ではなく、俗称にすぎない。嘗て富士山の北側には“剗の海(せのうみ)”という富士五湖の前身の湖が存在していた。その大きさはなんと琵琶湖ほどもある広いものだった。

しかし864年、富士山三大噴火の一つである貞観大爆発が起こる。それにより剗の海(せのうみ)は西湖、精進湖、本栖湖の3つに分断し富士山北西部は溶岩で埋め尽くされてしまった。そこから約1100年もの年月をかけ、火山岩の上に生した苔やそこから生える植物により2cm程の土壌が出来上がっていき、巨大な原生林が培われていった。

土の上に木が生えているのではなく、ゴロゴロとした火山岩の上にあるうっすらとした土壌に這うように木が根を張っているので根はむき出し、土壌の下は火山岩と火山岩の隙間が出来ている可能性があり天然の落とし穴となっている場合もある。遊歩道から外れ森に入ると、四方八方同じような景色が続き方向感覚を驚く程失う事になる。そうした意味でもGPS、そしてなるべく複数人での探索が必要だ。

 

【樹海マニアに聞く】心霊スポットとして樹海があげられている事があるが、実際に樹海で幽霊やお化けを見た事はありますか?

「おばけは周りでも誰も見た事がないね。一番怖いのは人間ですよ……。」

確かに、自分も感じる限り樹海では霊的な気配を感じた事がない。とてもすっきりとしていて、清々しい空気が漂っている。ネイチャーグリーンの癒し、そこに惹かれて樹海へ訪れる者がいるのも納得が出来る。

 

【樹海マニアに聞く】樹海であった不思議な経験があれば教えて下さい

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「たまに異臭がする気はするかな……死体の姿が見えないのに死体の臭いがする、昔の発見後だったりする場所でも。でも異臭があったからって、そこから死体が見つかる事は滅多にないね。

オカルト的に盛り上げると残留思念が臭いになって残っている、とでも言うのかもしれないけど。普通に考えると離れた場所での臭いの塊が空気の中を漂って流れてくるんだろうねぇ。」

私もその臭いは嗅いだ経験がある。何故か突然、異臭がするのだ。しかし周りでは何も見つからない。……不思議だ、不思議すぎる。

「そうそう、逆に臭いを辿ったら臭いが抜けた完全な白骨にたどり着いたことがあったな。前の日に通ったときもそこで同行者が臭いを感じたらしいよ、自分は感じなかったんだけど。周りにはその白骨以外なかったな。」

……不思議すぎる!

 

【樹海マニアに聞く】樹海のド真ん中に謎の集落があるという噂を聞きますが、それは本当ですか?

「精進湖民宿村がそれにあたるのかな。」

精進湖民宿村。それは樹海の近くにある精進湖に訪れた観光客が宿泊する為の施設が立ち並ぶ民宿村だ。

村の人口は約200人、世帯数屋久70戸。食料店や郵便局などもあり人の生活がきちんとある。元々は湖寄りの場所に集落があったが土砂崩れの危険があるとの事で県の補助を受け移動をしたとの事だ。

勿論、世間から隔離されていて一度入ったら出られない、とか
この村独自の法律があって、逆らうと大変なことになる、とか
第二の杉沢村と呼ばれていて地図にすら載っていない……などの噂は全くの嘘であり、むしろほのぼのとした民宿村である。精進湖から望む富士山は絶景で、周りにはキャンプ場も多い。

参考:精進湖民宿村からの手紙

 

【樹海マニアに聞く】今と昔、樹海で死体が見つかりやすかったのは?

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「昔! 2週連続発見とかもあったし。近年の“新規”は平均して年に1~2体かしら。最近はGPSが気軽に使えるのと某氏の樹海本のせいで探検者も増えてるっぽいし……。」

2ch全盛期の頃は、オフ会で集った者たちがローラー作戦を行い大量に死体を見つけたという話もある。

 

【樹海マニアに聞く】樹海マニアは他にもいますか?

「GPSでないと探索が不可能なエリアの死体が通報されちゃったりするから、インディーズ活動者が複数いる模様。」

時として、外国人からの通報もあるようだ。しかも彼らは死体のある場所の座標だけを警察署にメールで送るという……。

 

【樹海マニアに聞く】樹海マニアの特徴とは?

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「兎に角全然表に出てこないですね。昔やってた人は飽きちゃったり結婚したりでみんな辞めちゃった。」

確かに、自分が知っている樹海マニアの人でも歴が10年クラスの方がいらっしゃるが絶対に表に出て来ない。密やかな趣味、だからこそ続けられる、続いていけるものがあるのだろう。

筆者の私は廃墟マニアだが、近年の廃墟事情が芳しくないのは“密やかなものではなくなってしまった”事もあるのではないのだろうかとも思う。

 

【樹海マニアに聞く】そんな樹海マニアたちに対して、警察はどう思っている?

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「変な話、点数に繋がる訳じゃない臭くて汚い死体を、アホな探検者がヘラヘラ通報してくるから相当めんどくさいと思ってるみたいで、印象悪いっぽいね。」

樹海で死体を見つけた場合、どうするか。一般的な大多数の意見としては勿論“通報する”だろう。

しかし、樹海の死体を処理したところで、警察にとって手柄になるわけではない。まだ風化しきっていない死後1ヶ月後の生っぽい死体の処理など任された日には……実にめんどくさいというのが本音のようだ。

見つけた死体を警察に通報するという“当たり前”の行為。しかしそれを“毎回”行っている“マニア”は“殺人現場に戻る犯人”に近い何かを感じてしまうのは私だけだろうか……。

 

【樹海マニアに聞く】今と昔で、樹海に変化はあるように感じますか?

「自殺者は減っちゃった気がするなあ。鉄道自殺が取り上げられて流行ってるのと、行政が自殺の森ってイメージを払拭させるためにそういう取り上げられ方に取材拒否をしてるからなんだろうね。あと観光地化が進んで外人も増えた。」

確かに観光地である風穴には、外国人観光客の姿が数多く見受けられる。華僑系の民から欧米系の民まで、幅広く訪れている。これも時代の流れか。

 

【樹海マニアに聞く】K氏は最近樹海関連イベントなどにも出ていますが、今後自分はどのように樹海に関わり、どのように楽しんでいこうと思っていますか?

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「行政は“樹海は死の森”ってイメージを払拭したいみたいだけど、イベントをやったりして昔のイメージを復活させたいですね(笑)。

探検は飽きるまで続けますよ。イベントは春ぐらいにやるかもしれないけどまだ未定です。GPSを使えて単独探検できるスキルがある人は連絡ください。情報交換しましょう。」

 

【まとめ】樹海への探求は終わらない

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孤独の姿勢を貫く樹海マニア、K氏。

彼の視点は冷静で独特、スタンスは極めてストイックだ。しかし喋ってみると少年のような人懐こい笑顔を浮かべ、平然と楽しくとんでもない爆弾発言を投下してくる楽しい男だ。ネットで流れる樹海の噂の数々は、都市伝説にすぎないものばかりのようだ。

しかし。

K氏も知らない、ネットで流れる事のない、流せる事のない、恐ろしい樹海の体験談を私は知っている……。その話は、また別の機会にでも語るかもしれないし、語らないかもしれない。

 

ライター :星野 藍

星野

グラフィック&UIデザイナー、写真家、書道家。福島県福島市出身。従姉の死、軍艦島へ渡った事をきっかけに廃墟を被写体とし撮影を始める。
2016年『チェルノブイリ/福島 ~福島出身の廃墟写真家が鎮魂の旅に出た~』(八画文化会館)上梓。廃墟の他怪しい場所やスラム街、未承認国家にソビエト連邦など、好奇心の侭に国内外を縦横無尽に徘徊する。

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