【駐在員の現状】仕事で中国へ行くなら知っておきたい事――日本人が働くリスクとうつ病(メンタルクライシス)の危険性

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外務省の統計結果によると、現在海外で3ヵ月以上の長期滞在をしている日本人は約86万人となっている。その中で最も多くの日本人が滞在している国が中国で、約13万人の日本人が生活をしているという。そして今、中国に駐在している日本人の間で深刻な問題となっているのが、いわゆる“うつ病”である。

筆者は上海近郊の町に13年間滞在し、多くの日本人と出会った。その中で、海外での生活にうまく馴染めず派遣予定期間の途中で帰国した人や、過度の心理的なストレスによって「メンタルクライシス」と呼ばれる、精神を正常状態に保てない状態に陥っている人の姿を目の当たりにしてきた。事実、海外駐在中にうつ病を発症するリスクは日本にいるよりも3倍以上に高まるという。

実際に中国に赴任する人はもちろん、家族が中国で働いている人、将来海外赴任の可能性がある人は、海外赴任のメンタルクライシスが起こっている現状をしっかりと理解してもらいたい。

 

いかにして中国へ駐在している日本人のメンタルクライシスが起こったか その原因5

出典:shutterstock

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環境の違う海外で生活をするというだけで、精神的な負担は日本で暮らすより大きいもの。それに加えて中国で仕事をするということは、生活面での環境が整っていなかったり、政治的な要因で国民感情が悪化したりと、他の外国への赴任よりも感じるストレスは高いだろう。

日本人駐在員に対してのメンタルクライシスの現状は想像以上に深刻で、日本では完璧に仕事をこなしていたような人でも中国に来て精神的にまいってしまうことも多い。ここでは具体的な例と共に、その要因となるものを挙げていきたいと思う。

 

① 日本人にとってあまりに高い「中国語の壁」

中国へ赴任している日本人は、日本本社からの出向という形で、日本の会社に籍を置きながら中国の支店や工場へ長期滞在している、というケースが最も多い。
中国の会社では当然中国人スタッフが多いので、中国語でのコミュニケーションが必要だが、多くの日本人赴任者は中国語で交流ができるレベルに達していない。
そこで、中国へ赴任した多くの日本人は、仕事に慣れるのと同時に中国語を習得することが最初の課題となる。それも昼間の激務をこなしながらの学習なので、体力的にもハードである。それでも多くの日本人は就業後や休日に中国語のレッスンを受けて中国語を勉強している。
中国では普段の生活で英語が通じるような場所はまだ少ないので、中国語が喋れないことで感じる不自由はとても大きい。言葉が理解できないと、やがて気持ちも塞ぎがちになり、孤独感を強く感じるようになっていく。

 

② 理解を得られぬまま高まる、日本本社からのプレッシャー

中国で奮闘する駐在員がどんなに現地の事情を日本本社に説明しても、日本本社側から理解を得られることは少ない。そして日本側からは、中国の実情を踏まえていない要求や、実現困難と思われるようなノルマが課せられることも多い。
筆者が駐在中に中国の日本人駐在員の間で流行った言葉がある。
「OKY」
(O)お前が(K)来て(Y)やってみろ!の意味である。
たしかに日本側からのあまりに理不尽な要求や指示があると、そう思うことが多々あった。本来守ってもらうべき存在であるはずの日本本社側の非情な対応や無理解に苦しみ、また中国の会社には信頼して相談できる人がいないという、逃げ場のない状況に追い込まれていくのだ。

 

③ 見た目は似ていても全く考えの違う中国人に翻弄される

中国人スタッフと良好な関係を築くことが、中国で仕事を円滑に行う一番大切なポイントだといえる。しかしこれがとても難しいのも事実である。
日本人と中国人は見た目が似ている分、価値観も近いのではと錯覚しがちだが、そこには埋められないほどの深い溝があるのが現実だ。
日本人の駐在員は中国へ赴任すると、役職が日本にいた時よりも上がることが多い。今まで平社員だった人が課長になったり、課長だった人が部長になったりするのが通例となっている。
いきなり管理職となり、部下の管理能力も問われることになるのだが、その対象が中国人である場合、ますます管理は困難になる。自己主張が強く利己的な面が強い中国人を管理することを、来たばかりの日本人に任すこと自体に無理がある。
実際に中国人スタッフとの人間関係がこじれて、社内でも浮いた存在になってしまう日本人は結構いるのだ。

 

④ 夜の中国にハマる日本人駐在員

中国には日本人向けの日本料理屋やキャバクラのような飲み屋も多い。日本から出張者やお客さんが来ると、夜は一緒に食事をして、飲み屋に行くということは多く、駐在員も当然同席して遅くまで付き合うことになる。
これは会社にもよるが、週のうち半分以上はそのような生活を続けているような日本人も少なくない。
飲み屋では日本語を話せる若い女の子がいるので、ストレス発散の面もあるのだが、飲み屋の女の子にハマってしまい、毎日通うようになる人もいるのが事実だ。
自分の小遣いの範囲で遊ぶのはいいのだが、限度を超えてしまい結果的に家庭崩壊にまで追い込まれてしまったり、全財産を貢いでしまうようなケースも中国では数えきれない程よくある話である。

 

⑤ 単身赴任、不慣れな家事による精神的負担

中国に滞在する日本人は、日本に家族を残して単身赴任の形で赴任することも多い。上海には日本人学校や日本語の通じる病院など、家族を連れて行って生活しやすい環境はある程度整っているが、地方都市などではそうでない場所の方が多いのが現状だ。
単身赴任となると、食事、洗濯、掃除などの家事の負担が増える。今まで仕事に専念していた人には、不慣れな家事をすることもストレスとなる。
何よりも家族がいない生活というのは精神的に追い詰められていくことが多い。家に帰っても、話し相手もおらず、会いたい子供にもずっと会えないという環境は想像以上にメンタルクライシスを加速させる要因となっている。

 

中国駐在員のメンタルクライシスを防ぐ4つの方法

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中国駐在の日本人のメンタルクライシスがいかにして起こるかは上述の通りだが、これらはある程度予防することで未然に防ぐことができる。正しい予備知識をもって、メンタルクライシスに陥らないための施策をとってほしい。

 

① 気持ちがリラックスできる時間を作る

ストレスを感じることは日本で生活をしている時よりも何倍も多いはずだが、ストレスをため込まずに上手に解消することが重要である。趣味を見つけて楽しんだり、家の中でリラックスできる空間を作ることで日々のストレスを上手に発散できるようにしたい。

 

② 相談できる場所、相手を作る

中国に駐在する日本人は仕事場と自宅以外に行動する範囲が狭く、孤独に陥りやすい。そんな時に相談できる相手や場所があることは、心の拠り所として大きな意味がある。知り合いや友人に頼るのも勿論有効な手段ではあるが、上海であれば日系のメンタルクリニックもあるので、専門家に相談することも躊躇しないことだ。

 

③ EAPサービスなどを利用する

EAPサービス(Employee Assistance Program)とは、職場のメンタルヘルスサービスのことで、欧米の主要企業では95%以上の導入実績があり、高い効果を示している。
EAPの特徴は、治療よりも予防に力をいれて、社員が働きやすい環境を作り、生産性向上を目的とするものだ。職場でメンタルヘルスに理解があることは社員にとっては安心感があるだろうし、所属している会社が導入しているのであれば、積極的に利用してほしい。

 

④ 心の危険シグナルに気づいたらすぐに対処する

今まで仕事をしっかりとこなしてきた人ほど自分のメンタルが弱っていることに気づかない事が多い。そういう人は、危険シグナルを体が発していても我慢してしまう。その結果ストレスをため込んでしまい、そのストレスが限界値を超えたときに爆発(表面化)してしまうのだ。
うつ病はチェックシート(GHQ12)などを使って、自分でも簡易測定ができるので、少しでも気になる人は一度試してみてほしい。

 

まとめ

日本人は性格的にも真面目で、仕事に対しても一生懸命努力する人が多い。そういう人ほど中国という決して一筋縄ではいかない国に消耗させられ、やがてはメンタルクライシスをひき起こしてしまう。
メンタルクライシスを起こす要因は、日本本社からのプレッシャーや、中国人スタッフとの軋轢、孤独感など様々だが、海外赴任は精神的に負担が大きいということは、自分自身も、周りの人間も理解が必要だ。

取り返しのつかない事態になる前に、予防を行ったり、少しでもおかしいなという自覚が出たらメンタルクリニックなどへ相談に行くことをおすすめしたい。

 

ライター : BAYASHI

BAYASHI プロフィール

1981年生まれ、三重県出身。中華系ニュースを得意とするライター。13年間上海近郊の製造メーカーで勤務し、現地で中国文化や、中国ビジネスについて研鑽を行う。中国での経験を活かした、インバウンドセミナーや、中国顧客への販促活動などを中心に活動している。現在は福岡県で中国人旅行者向けの宿泊施設を開業準備中。

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