【都市伝説】ホルマリンプールってマジで実在するの?「死体洗いのアルバイト」の 妙にリアルな体験談を父親から聞いてしまった話

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私の父

「おかえり、ゾンビ映画観るか?」

私の父は、ホラー、スプラッター映画のマニアだ。

「わーい、観る!」

私は物心ついた時にはすでにジョージ・A・ロメロのゾンビ三部作を観せられていた。故にそういったものの所謂“グロ耐性”が比較的強い。子供の頃から二人でホラーやスプラッター映画をニコニコしながら鑑賞していた。

ある時私は、何気ない拍子で聞いた。

「そういえばさ、死体洗いのアルバイトって都市伝説であったよね。実際あったのかな?」

父は言う「やった事あるよ。」

!?

体験者が、まさかのまさか、物凄い身近にいた。

 

青春謳歌、70年代アンダーグラウンド

出典:shutterstock

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それは、父がまだ大学生の頃。上京し東京の大学で青春を謳歌し、そして悪い事ばかりしていたそうだ。

「あの時代だからこそ出来たんだろうな……。」と、父は言う。

1970年代。私にとって、憧れの時代。濃厚なアンダーグラウンド、混沌に包まれた怒涛の時代。どうせならこの時代を駆け抜けてみたかった。

当時父には、医大の研修医の友人がいた。彼は猟奇的死体マニアで、本来門外不出である司法解剖用の死体や、その他様々な死体をこっそり写真に撮ってはひっそり愉しんでいた。父も秘蔵の死体写真を数多く見せてもらったそうだ。当時カラー写真も既にあったが、プリント代も高かった為か死体を記録に残すのはモノクロ写真が主流だったという。

しかしモノクロで見る死体は、カラーより返って生々しさを掻き立てられたらしい。そんな死体マニアの友人が、ある日父にお願いをする。

「ごめん、俺の代わりに死体を洗ってくれ!」

どうやらどうしても外せない用事があるらしく、自分の担当である死体洗いの作業を代わりに父にやって欲しいとの事だった。

「おう、いいぞ!」父は二つ返事で引き受けた。

アンダーグラウンド香る当時70年代、父の元には友人知人から様々なヤバいバイトの話が舞い込んでいた。例えばバキュームカーの“固形物”を取るバイト。

ぼっとん便所が主流だった頃、今より性能の良くないバキュームカーは、度々“糞詰まり状態”になっていた。回収した糞便を処理しようにも詰まっているものはしょうがない。その詰まりを解消する為、タンクの中に入り作業をするバイトがあった。

タンクの中から、バキュームカーのホースに詰まる硬くなった糞を砕き、取り除く。取り除くものは糞だけではない。ぼっとん便所には様々なものが捨てられていたという。使用済みタンポン、缶、ビン、時には遺棄された赤ん坊も……。

時給は1万円。とてつもない破格だ。

現在のように防護服もしっかりしたものではなかった為、タンクの中で作業をすると1ヶ月ニオイが取れなかったらしい。しかしそれを生業とする者は非常に高級取りで、ボーナスの時は「封筒が縦にしっかりと立った」くらいだという話しだ。

 

死体を洗う為に

出典:shutterstock

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話が脱線したが、父は死体洗いのバイト(代行)を引き受ける事にした。大学病院内で作業は行われた。

まず、着替えをする。胸まであるオーバーオールのような長靴……恐らくウェーダーのようなものを纏い、後ろが繋がっている二の腕くらいまである長いゴム手袋をはめる。帽子はゴム製だ。青緑のような色をしたゴーグルをかけ、医療用のガスマスクを装着する。青緑色であるのは、血の色を分かりにくくする為のものだろう。

死体は、街の銭湯の風呂ほどの広さのプールのようなところに入れて洗う。プールはタイルで出来ており、ホルマリンのような刺激臭を放つ液体で満たされていた。

ん、ホルマリン……? 私はそこで少々引っかかりを覚えた。と言うのも、大江健三郎氏の「死者の奢り・飼育」で話題になった“ホルマリンプール”の存在についての話を思い出したのだ。

そもそもホルマリンは非常に気化しやすい物質で、プールのような場所に密封もせずに置いてあるのではどんどん気化してしまうらしい。

又ホルマリンは非常に有毒で、ホルマリン中毒の観点からも考えて使用量は厳しく制限されている。解剖実習中においては、ホルマリンではなくフェノールなどを振り掛けるのが一般的である。そしてホルマリンで生物を漬けると、防腐効果はあるが非常に脆くなる為解剖などに適さなくなる。

以上の事から、死体保存にホルマリンは向かないらしいが……・

「医療用のガスマスクは、軍用のガスマスクのようにいかついものではなく臭気取りみたいなもんだな。それでも臭かったぞ。」

……父が話す内容は、余りにも描写が細かい。嘘を言っているとは流石に思えない。もしかしたら、都市伝説ではなく本当にホルマリンのプールが……?

 

二人一組

出典:shutterstock

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話が度々逸れるが、装備を装着し終えいよいよ死体を洗う作業へと入る。

死体一体につき二人一組。慣れた人間なら一人で作業出来る。

死体がぷかりと浮いたホルマリンのような液体で満ち満ちたプールは腰ほどの高さで、刺激臭がガスマスクからでも伝わった。大きな柔らかいスポンジのようなもので、一体目の死体に取り掛かっていく。

死体は司法解剖後、キレイに処理し遺族へ渡すものだろう。スポンジで全体的に洗ったら、次は皮膚にめり込んだ砂利や破片を取り除いたりする細かい作業へ入っていく。一体目の死体は状態が良いものだったらしく、体感30分ほどで洗い終える事が出来た。

しかし二体目はそうもいかなかった。

見たところ、死後二週間ほどの死体。二週間も経てば死体の状態は酷いものとなる。ウジが湧き、皮膚に死斑が浮き上がり、中に溜まったガスのせいで腹部が膨張する。脆くもなっておりより一層慎重に触れなくてはならない。当然、それだけ処理に時間がかかる。体感で2時間半ほどかかったそうだ。

「でもまぁ、湘南で見つけた土左衛門よりはマシよ!」と、父は快活に笑い飛ばす。

この男、何かと死体に縁がある。サーフィンをしている時海に浮かぶ死体を見つけてしまった事があるのだ。

死体を洗っている時、動作は極力ゆっくり繊細に注意を払って行うが、それでもプールの液体が“ぴちゃり”と顔に飛び跳ねる時もある。液体が付着した皮膚は徐々にかゆみを帯び、作業が終わる事は赤く腫れあがっていた。

何より死体が浸かっている液体が跳ね自分の皮膚に付着するという事……。自分だったら絶叫しているかもしれない。

 

細部まで語られる体験談

洗い終えた死体はストレッチャーに乗せ白い布を被せて作業は完了。

給料は安心の現金即払い。死体一体につき2万円。二体洗ったので4万円だが、二人で作業したので一人あたり2万円になる。死体洗いのバイトは、その時の一回のみだったそうだ。

「あの時代だからこそ出来たんだろうな……。今じゃ絶対無理だと思う。セキュリティーも厳しくなっているだろうし、大問題になるな。昔は色々テキトーだったからな。だからこそ珍しい死体を見る機会もあったよ。」

父が恵まれた、死体を見る機会。印象深い死体の一つに、男性器がパンッパンに硬く勃起状態したまま死体となったものがあったらしい。

男性器の勃起というものは、陰茎内部の海綿体に血液が溜まりる事で血液を排出する静脈が調節され、内部の圧力が上昇することによって起きる現象だ。

心肺停止すると血流がなくなる為通常は死後勃起が持続する事はないと思うのだが、一説によると窒息により小脳に圧がかかることで、勃起が死後も持続する事があるらしい……。

一体その遺体がどのような状況でそうなったのかは分からないが、だらんと死に絶えた肉体に相反しそそり勃つ一本の益荒男のような男性器は、きっと異様な光景であったに違いない。

テキトーな時代だったからこそ出来た貴重な体験……。現代社会ではインターネットの普及のお陰で様々な情報に溢れ、知識を得られ、ある種の“疑似体験”は誰でも簡単に行えるかもしれない。

 

しかし“実体験”としてそれらを実際に体験出来る人間は、思った以上に少ないだろう。正直私は羨ましい。

“都市伝説”を体験する事が出来た男。時が経てば、父の存在そのものが歩く都市伝説になっていってもおかしくないかもしれない……。

ライター :星野 藍

星野

グラフィック&UIデザイナー、写真家、書道家。福島県福島市出身。従姉の死、軍艦島へ渡った事をきっかけに廃墟を被写体とし撮影を始める。
2016年『チェルノブイリ/福島 ~福島出身の廃墟写真家が鎮魂の旅に出た~』(八画文化会館)上梓。廃墟の他怪しい場所やスラム街、未承認国家にソビエト連邦など、好奇心の侭に国内外を縦横無尽に徘徊する。

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