【昭和の金言】『美味しんぼ』にあった名台詞「トンカツを食えるくらいになればちょうどいい」の素晴らしさを改めて検証する

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グルメ漫画の金字塔『美味しんぼ』の初期作品に登場するトンカツ屋の店主が語った、とあるセリフがツイートされ、多くの人たちの共感を呼んでいるという。

後出しジャンケンみたいなかたちになってしまい恐縮だが、私もこの秀逸すぎる説法に、リアルタイムで(=単行本ではなく、当時『美味しんぼ』が掲載されていたビックコミック・スピリッツを読んで)コウベを垂れたクチの一人である。コレをネタに何本か原稿すら書いた記憶もある。そんな金言がまさか平成も終わりを告げようとしている30年以上も後に、ふたたび脚光を浴びるとは……!? なんともイイ話ですなぁ。

私は今でもトンカツが食えないほど困窮する月がある!

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とりあえずは、同ツイートにあった、称賛のリプをいくつかピックアップしてみよう。

「そんなにえらくなることはねえ」と言っているが、頑張るなとは言ってないところがポイントだろう。(後略)
私もこの話大好きです。(中略)時々自分にも言ってる時があります。食べたい時にトンカツ食べれる生活が必要。
生活キツくなるとそこから我慢が始まってしまうから。今の若い人達もトンカツ食べれるくらいの生活して欲しいし自分もそうありたいです。 
この(トンカツ大王の)エピソードは確か昭和20年代だったはずなので、当時トンカツと言えば非常に高級品でした。(中略)今の金銭感覚で言えば「いつでもA5ランクのステーキ食えるようになれよ!」といった感じでしょうか。 
『美味しんぼ』はあまり興味ないですが、この言葉は真実ですね。自分の生活に当てはめてみてもほんと、その通りだと感じます。 

私も自分の生活に当てはめてみて、心底から「そのとおり!」だと猛烈に同感する。

たとえば、フリーランスの身である私は、じつのところ月々に振り込まれるギャラの額面の差がけっこう激しかったりして、タイミングが悪い月は、50歳も半ばに差しかかった今でも相当に厳しい生活を強いられる場合がある。

そういった“どん底”の月は、マジでランチなりディナーなりの一食として、トンカツに“現金”(※クレジットカード払いが可能なお店なら別だが、街のトンカツ屋はたいがいがカード不可だったりする)を突っ込むことに、ついつい躊躇してしまう。

つまり、トンカツに支払う1500円前後といった価格帯は、(少なくとも私にとって)いまだ“貧している月”と“潤っている月”の目安として絶妙な基準であり、“貧している月”はいつでも「トンカツをいつでも食えるくらいの、えら過ぎもしない貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいな人間になりたいなあ……」と、おのれの甲斐性の無さを、天を仰ぎながら嘆くのであった。

 

ステーキとトンカツの決定的な違い

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「今の金銭感覚で言えば『いつでもA5ランクのステーキ食えるようになれよ!』といった感じでしょうか」なる“時代ごとの物価の違い”を背景にした比較論もあったが、それはちょっと違うと思う。だって、“潤っている月”でさえボク……とてもじゃなけど「いつでも」はA5ランクのステーキなんて、食えませんもん(笑)。デートだったら頑張って奮発しちゃうけど……? 

ステーキ、我々世代で言うところの「ビフテキ」は、昔も今も“ご馳走”であることに変わりはなく、どんな料金設定であっても、いくら『いきなりステーキ』とかによるステーキのカジュアル化が進んでも、その感覚はまだまだ払拭され尽くしてはいない。

対するトンカツは、あくまで庶民の食べ物──その庶民の食べ物のなかではトップクラスの“贅沢”であり、だからこそハンバーグでもなく天ざる蕎麦でもないトンカツこそが、こういった普遍的な名言へと差し込むのに相応しいキャッチーなメニューとなりうるのではなかろうか。

ライター : 山田 ゴメス

1962年大阪生まれ B型 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、偏った幅広さを持ち味としながら、阪神タイガースと草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター&イラストレーター。『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』ほか、著書は覆面のものを含めると30冊を越える。

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