書籍【「言葉にできる」は武器になる。】「伝わる」言葉、そして自然と「人が動く」言葉を使うコツとは?

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上司への報告や顧客へのプレゼン、友達や恋人との電話やメールなど、私たちは日々言葉を使ってコミュニケーションしています。

ただ、自分では問題なく言葉を使っているつもりでも、「何を言っているのかわからない」と言われたり、ちょっとした言葉遣いが原因で誤解がうまれトラブルになってしまったり、という方も多いのではないでしょうか?

そんな誤解やトラブルを防ぎ、「伝わる言葉」「自然と人が動く言葉」を使えるようになるための秘訣が書かれているのが『「言葉にできる」は武器になる。』(日本経済新聞出版社)です。

電通のコピーライターが語る「伝える技術を磨く」理由。伝わり方=人間性?

出典:shutterstock

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「バイトするなら、タウンワーク」
「世界は誰かの仕事でできている。」

これらは電通のトップコピーライター、梅田悟司によって生み出されたキャッチコピーです。そんな言葉の専門家が昨年上梓した、『「言葉にできる」は武器になる』には、伝わる言葉を生み出す技術が詰め込まれています。

まず、読み始めてハッとさせられた点は、「言葉は思考の上澄みに過ぎない」という言葉です。たしかに、思考なくして言葉は存在しません。言葉に長けようと思うなら、まず思考を磨かなければならないでしょう。筆者は「言葉が意見を伝える道具ならば、まず意見を育てる必要があるのでは」と提案します。

そして、この意見を育て、言葉を伝える技術を磨くことは、現代社会において必要不可欠だと説きます。

思い出してみていただきたいことがある。

それは、意味が分かりにくかったり、相手の言葉に対して何も感じることがなかった場合、つまり、コミュニケーションが不理解・誤解、理解で留まり、納得や共感・共鳴にまで達していなかった場合、自分が相手をどのように評価していたか、である。

おそらく、その多くは「言葉づかいが下手だな」「もっと上手く言えばいいのに」と言った言葉遣いそのものへの評価ではなく、「言いたいことが整理されていないな」「薄っぺらな考えだな」「深く考えていないな」といった相手の人格に対するものではなかっただろうか。つまり人間は、相手の言葉に宿る重さや軽さ、深さや浅さを通じて、その人の人間性そのものを無意識のうちに評価しているのである。

『「言葉にできる」は武器になる』梅田悟司 著(P.20〜P.21より引用)

言葉の使い方は、「その人自身への評価」に直結する、というのです。

 

伝わる言葉を生み出す第一歩は、「内なる言葉」と向き合うこと

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「言葉を磨く」と言って最初に思いつくのは、語彙を増やす、ということではないでしょうか。表現方法のストックを増やすことで、自分の考えや思いにふさわしい言葉のチョイスができ、相手と円滑にコミュニケーションできる……もちろんそれは間違いではないのですが、表現方法を学ぶ前に、まずすべきことがあると筆者は言います。

それは、言葉には「外に向かう言葉」と「内なる言葉」の2種類が存在すると認識することです。

外に向かう言葉は、私たちが普段発したり書いたりしている言葉のことです。それに対し、内なる言葉は、「物事を考えたり、感じたりする時に、無意識のうちに頭の中で発している言葉」のこと。

この内なる言葉と向き合い、自らの思考を掘り下げることによって、より他者に伝わりやすい言葉となるのです。

 

実践!内なる言葉と向き合い、思考を掘り下げる7つのステップ

自分の思考を掘り下げる、というと、延々と一人で頭の中でぐるぐる考えて、といったイメージですが、それではなかなか思考はまとまりません。

本書では、自分の考えを「書き出す」ことによって内なる言葉と向き合い、正しく思考を深める方法を7つのステップで紹介しています。

ここでは、本書で示されている思考を深める方法を実践してみようと思います。
仕事や恋愛、家庭、将来についてなど、考えるべきことはたくさんありますが、ここでは、便宜的に私自身(脚本家を目指しているいちフリーライター)が、「これからどんな仕事に携わりたいか」について考えてみようと思います。

 

①まずは書き出す(アウトプット)

まず、頭に浮かんだことをすべて紙に書き出します。

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推奨されているのはA4用紙に太めのサインペンで記入していくことですが、大きな机がない場合は、付箋に書いていくのもOKとのことなので、今回は付箋を使用しました。

ポイントは、紙がもったいないなんて思わずにどんどん書いていくことです。このプロセスを経ることで、頭のなかで漠然と考えていたことを自分で把握できるようになります。

ざっと書き出してみてから、付箋にノートを貼ります。
私は脚本を書くことを仕事にしたいと考えているので、「映画の脚本を書く」「舞台の脚本を書く」などの内容になりました。書き出して見てみると、あまり、仕事の幅を限定しすぎているように感じました。自分の思考をただ書き出しただけですが、この時点ですでになんとなく、自分の思考を客観的に見られるようになってきた気がします。

 

②考えを進める(連想と深化)

つぎに、それぞれのカードについて「なぜ?」「それで?」「本当に?」と問いかけ、考えを深めていきます。

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例えば、舞台の脚本を書く、という仕事について「なぜ?→舞台が好きだから」「それで?→観客を感動させる」「本当に?→舞台もいいが、映像の方がしたいかもしれない」というように問いかけをして考えを深化させました。

この問いかけを全部のカードに対して繰り返していくことで考えを深めていきます。

 

③同じ仲間を分類する(グルーピング)

すべてのカードに対して②の問いをすることができたら、次に分類を行います。

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ここでのポイントは、①②で書いた言葉をなるべく自分と切り離して客観的に見ること。難しいですがなるべく自分で書いた言葉だという思い入れを捨てて、公平に分類していきましょう。

分類の方法はさまざまですが、時間軸(過去、現在、未来)や、願望軸(やりたいことなのか、やるべきことなのか)、感情軸(希望か、不安か)、人称軸(自分のことか、他人のことか)、事実軸(本当のことか、思い込みか)、などがあげられます。

グルーピングをすることで、自分の考えの全体像を把握することができます。

 

④足りない部分を埋める(視点の拡張)

ここまで記入してみると、全体的に何が足りていないかが見えてきます。

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私は「では今すべきことは何か」というグループを追加しました。理想の仕事をするにあたって、今自分が何をするべきかを明確にしました。

 

⑤時間をおいて寝かせる(客観性の確保)

ここまでできたら、改めて自分が書いたカードを客観的に見てみましょう。客観性を得るために、2~3日時間を空けておきます。

 

⑥真逆を考える(逆転の発想)

次に、これまで考えてきたことの真逆について考えてみます。

例えば、私は「ひとつのことのプロになる」というカードを作りました。逆の「何でもできるジェネラリストになる」という方向で考えてみては? と自分に問いかけてみます。逆について考えることで、思考は深まっていきます。

 

⑦違う視点から考える(複眼思考)

これまで、自分の考えを深めてきましたが、最後に、他人だったらどう考えるか、について考えていきます。

具体的な人物をイメージして「あのひとだったらどう思うか」と考えていくのがポイントです。

「あの人だったら、どう思うか」「この人だったら、どう考えるか」と視点を変えることに慣れてくると、自ずと自分自身の視界も広くなる。内なる言葉の語彙力も向上し、外に向かう言葉が強化されていく。

そのためにも、まず、自分が今「自分という壁」の中にいることを意識することから始めたい。この事実に気付かないままでいると、無意識のうちに「自分が考えることは正しいに決まっている」「自分が言っていることを、分からないほうがおかしい」と自分本位かつ排他的な感情を持ってしまうことになる。

『「言葉にできる」は武器になる』梅田悟司 著(P.131より引用)

 

実践してみて感じたこと

本書で書かれている思考を深める7つのステップを実践した結果、自分のしたいこと、やるべきこと、目指しているところがより明確になりました。

かなり時間と頭を使う作業ですが、やる価値はある、と感じています。本書では、だいたい1時間~2時間程度、週に2回、この7つのステップを用いて考えを深めることを推奨しています。そんな時間ないよ! と思われる方が多いと思いますが、一度試してみると思考が整理されてスッキリし、爽快な気分になるので、試してみてはいかがでしょうか。

今回は、自分自身の仕事について考えてみましたが、仕事で提案する企画を考えるときなどにも有用なツールになると感じました。

本書では、より詳しく具体的に「内なる言葉」と向き合う技術について学べる点に加え、この「内なる言葉」を「外に向かう言葉」としてきちんと伝える技術についても触れられています。

「自分の考えを整理したい」「自分の思いを明確にし、人を動かす言葉を発したい」という方におすすめの一冊です。

「言葉にできる」は武器になる。
著者:梅田悟司
出版社:日本経済新聞出版社

ライター : 今来 今

今来

神戸出身。立命館大学国際関係学部出身。出版社勤務を経て現在フリーライター。messyにて上京組の女性の生態に迫る『上京女子』連載中。趣味は観劇・映画鑑賞。月に20冊以上の読書をし、20本以上の映画を見る文系の塊。

 

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